19.5.1 HDD と SSD

コンピュータの長期記憶装置として中心的な位置を占めるのが,ハードディスクドライブ (HDD) とソリッドステートドライブ (SDD) です.

ハードディスクドライブ (HDD)

ハードディスクドライブ (Hard Disk Drive, 略して HDD) は磁気を用いてデータを記録する装置です.HDD の内部には金属製の円板が何枚か入っており,ヘッドと呼ばれる装置で磁気を書き込むようになっています.円板の上にたくさんの小さい磁石が並んでいて,N 極が上向きを向いているときに 0 ,下向きを向いているときに 1 を対応させ,磁石の向きでデータを記憶しています.

HDD の中でデータを記憶する円板の 1 枚 1 枚をプラッタといいます.HDD の記憶容量を増やすにはプラッタの枚数を増やす方法と 1 プラッタあたりの記憶容量を増やす方法がありますが,最近は後者の選択が取られる傾向にあります.HDD の容量増加と値段の低下は年々進んでおり,2012 年現在では 1 つの HDD の容量が数テラバイトに達することも珍しくありません.また携帯音楽プレーヤーやスマートフォンには小型の HDD が搭載されています.これらの装置も HDD の大容量化のおかげで,小さいながらたくさんのデータを保存することができるようになっています.

ソリッドステートドライブ (SSD)

ソリッドステートドライブ (Solid State Drive, 略して SSD) は可動部を持たないドライブという意味で,フラッシュメモリなどの装置を使ってデータを記録します.2000 年代後半から現れ始め,2012 年現在ではそこそこたくさんのコンピュータに導入されています.

SSD が HDD に比べて優れた点の 1 つは,HDD のヘッドのような動くパーツを持たないということです.したがって物理的な衝撃に対して SSD は HDD よりも優れています.また SSD は一般に HDD よりデータ読み書きの速度が速いとされています.

一方 SSD は HDD に比べて歴史が浅く,容量あたりの値段ではとても HDD に太刀打ちできません.また HDD のように 1 台で 1TB を超える容量の製品はなく,HDD ほど多くのデータを保存することはできません.そのため当分は「容量重視なら HDD,スピード重視なら SSD」という流れが続くでしょう.また HDD と SSD を組み合わせて,起動時に読み込むプログラムやデータを SSD に入れ,それ以外の大容量データを HDD に入れるという使い分けがなされるケースも増えてきました.このような使い分けは操作する人間が行うこともありますが,新しい製品ではデータを使用頻度に応じて自動で SSD と HDD に振り分ける機能を持つものもあります.

接続のための規格

HDD や SSD をコンピュータに搭載するには何種類かの方法があります.まずコンピュータの外部に接続するための代表的方法として,次の 2 つの規格があります.

  • USB
  • IEEE1394 (FireWire や iLink とも呼ばれる)

USB はフラッシュメモリの接続に使われるので,ほとんどの方は知っているのではないでしょうか.USB 接続するタイプの HDD や SSD は,USB と同じ要領でコンピュータにつないで使うことができます.

またデスクトップ型のコンピュータであれば,自分でコンピュータを開けて内部に HDD や SSD を増設することが可能です.この場合,主に次の 3 つの規格が使われます.

  • Serial ATA
  • ATA (Parallel ATA や IDE とも呼ばれる)
  • SCSI

近年最もメジャーなのは Serial ATA 規格で HDD とマザーボードに接続する方法です.Parallel ATA は Serial ATA が出る前の一昔前の規格で,現在はほとんど用いられていません.SCSI はサーバ用のコンピュータに主として使われる規格です.