19.8.1 汎用インターフェース

コンピュータには後から様々な機能が追加できるよう,外部機器を接続するためのインターフェースが用意されています.ここでは普及している有線インターフェースとして,USB, IEEE1394 と Thunderbolt を,無線インターフェースとして Bluetooth と NFC を紹介します.

USB

USB は Universal Serial Bus の略で,文字通り「色々な機器に使える」ことを目指して作られた規格です.hwb19.9 レガシーな規格 で紹介するように USB が登場する以前はキーボード,プリンタやモデムをコンピュータに繋ぐのにバラバラの規格を利用しなければいけませんでした.しかし 2000 年頃に USB が登場して以降着々と USB の浸透は進み,他の規格をほとんど駆逐するほどの大成功を収めました.

USB 規格は細かく分けると USB 1.0/1.1, USB 2.0, USB 3.0 の 3 つのバージョンに分かれています.時代が進むのに伴って USB も進化してきたわけです.2013 年現在では USB2.0 対応製品が一番普及していますが,2013 年現在,新しいコンピュータは確実に USB3.0 ポートを搭載するようになりました.USB3.0 の転送速度は USB2.0 の 10 倍程度もあるので,USB メモリや USB 接続タイプのハードディスクには,今後 USB3.0 が用いられていくことでしょう.また USB3.0 規格の 2013 年度中のバージョンアップが検討されており,もう少ししたら新規格対応製品が登場することになりそうです.

また USB の長所の一つに下位互換性があります.たとえば USB3.0 対応のフラッシュメモリは USB2.0 ポートに接続しても使うことができます.もちろん USB デバイスの性能を生かすにはポートとデバイスの規格を合わせないといけませんが,単に使うだけならそのような心配をする必要がありません.

IEEE1394

IEEE1394 も USB 同様,様々な機器を接続するためのインターフェースの一つです.Apple が FireWire という名称で呼び,ソニーが i.Link という名称で呼んでいたので,こちらに見覚えがある人がいるかもしれません.

ソニーがコンピュータだけでなくデジタルビデオカメラなどの機器に積極的に i.Link ポートを搭載したため,IEEE1394 はもっぱら AV 機器とコンピュータの通信に使われる傾向があります.IEEE1394 接続に対応した外付けハードディスクなども存在はしますが,如何せん USB の普及率が段違いに高いため,あまり市場に受け入れられていません.

Thunderbolt

Thunderbolt は 2011 年に登場し,2013 年現在徐々に普及しつつあるかなり新しいインターフェースです.Apple 社が 2012 年に iPhone / iPad の Dock コネクタを従来のものから Thunderbolt に切り替えたことで話題になりました.

Thunderbolt には大きな特徴が 2 つあります.まず 1 つは機器を数珠つなぎにできるという点です.USB ではハブを使ってケーブルを分岐させますが,Thunderbolt ではそうする必要がありません.もう 1 つの特徴は,ケーブル内を色々な種類のデータを通ることができるという点です.たとえば Thunderbolt はハードディスクを接続するのにも,ディスプレイを接続するのにも使えます.このように色々な機器で通信規格を統一しておけば,一つのケーブルがどれにでも使えて便利になります.

こう書くと良いことずくめのように見えますが,これらの機能を実現するために Thunderbolt ケーブルは複雑な作りになっており,値段が USB ケーブルに比べてかなり高いです.そのため普及が中々進んでいません.今後対応機器が増えることに間違いはありませんが,どのような価格帯になるのか,あるいは USB とどのような形で棲み分けがなされるのか,目が離せません.

Bluetooth

Bluetooth は無線で機器の通信を行うためのインターフェースです.事前に通信する機器を結びつける操作 (ペアリング) をしておくことで,多少離れたところから機器を操作することができます.

主に Bluetooth が使われるのは数メートル以内の短い距離です.たとえばヘッドフォン,携帯電話,キーボードやマウスをコンピュータと無線接続するのには Bluetooth が使われます.

NFC

NFC (Near Field Communication, 近接場通信) は 10cm 程度の通信が可能な無線インターフェースです.通信できる距離が著しく短いので,NFC では 2 台の機器を「かざす」ことによって通信を行います.スマートフォンに NFC が搭載されることが多くなりましたが,スマートフォン同士をかざすことでデータのやりとりができるのは NFC のためです.

NFC は長距離の通信や大きなデータの通信には向きませんが,かざすだけで通信ができるというメリットがあります.そのため短いケーブルでの通信を NFC に置き換えれば,ケーブルを接続する手間を省くことができます.また短距離でしか通信できないという特性上,NFC での通信が盗聴されることはありません.そのため Bluetooth 機器のペアリングに NFC が用いられることもあります.