16.3.6 特殊な文字の書き方

特殊な文字の書き方

HTML文書中では<と>はタグを書く時に使うので,これらの文字をソース中に直接打って画面に表示させることはできません.たとえば

三角不等式とは |a+b| <= |a| + |b| という式のことである.

という文章をそのままソースに入力すると,不等号として使った<をブラウザがタグの開始と勘違いしてしまい,正常に表示されなくなります.こういう現象を回避するため,HTML文書では&lt;と打つと画面に<が,&gt;と打つと画面に>が出力されるようになっています.今の例では

三角不等式とは |a+b| &lt;= |a| + |b| という式のことである.

と書くと,期待通りの表示を得ることができます.このように特殊な記号を別の文字列で表すことを,文字参照と呼びます.

文字参照には<や>以外にも色々あります.その中でよく使うものを挙げておきます.

&と"
それぞれ&amp;,&quot;で表示します.
ギリシャ文字
&,ギリシャ文字の名前,;(セミコロン)を続けて書きます.たとえば&delta;とするとδが表示されます.また,ギリシャ文字の名前の先頭を&Delta;のように大文字にすると,Δのように大文字のギリシャ文字が出力されます.
ウムラウトとエスツェット
ウムラウトは&,アルファベット,uml;を続けて書きます.たとえば&auml;とするとäになります.またエスツェットは&szlig;と書くと,ßのように出力されます.
アクサン,セディーユ
&,アルファベットをはじめに書きセミコロンを最後に書くのは同じですが,その間に書く文字が違います.アクサンデギュ,アクサングラーブ,アクサンスィルコンフレックスの順にacute,grave,circを書きます.またセディーユではcedilと書きます.例:&eacute;,&agrave;&icirc;&ccedil;→é,à,î,ç

ちなみに,今のように&,文字列,セミコロンを繋いだ形の文字参照を文字実体参照と言います.文字参照にはもう一つ,数値文字参照というものがあります.これは&#,数字,セミコロンを繋いで特殊文字を指定する方法です.たとえば&#60;は&lt;と同じく<を指します.残念ながらキリル文字などには実体文字参照がなく,数値文字参照をしなければならないようです.それらの特殊な文字を表示させたい時は,HTML4.01の仕様書などを引いて数値文字参照を調べてください.

コメントアウト

HTML文書中では,<!--と-->で挟まれた文字列は画面に表示されません.たとえば

<h1>東大太郎の自己紹介</h1> <!-- 見出し -->

と書くと,画面上に「見出し」の文字は表示されません.HTML文書を後から見返すときのために注釈をつけるときに,この機能を使います.

なお,コメントの中に -- を書いてはいけません.