26.1.3.4 計算の手間

コンピュータが実際に動いているときには，時間がかかります．そのほとんどの要因は繰返しの実行時間です．倍々ゲームのプログラムにしても，10までやるのと100までやるのでは，確実に10倍の時間がかかります．繰返しを使用する場合には，このような計算の手間に注意を払う必要があります．例として，2の平方根の近似値を求めるプログラムを考えてみましょう．

2の平方根"1.41421..."を求めよ，と言われたとき，どんな方法が考えられるでしょうか．ここでは次の三つの方法を考えてみることにします．ただし前提として，2の平方根の値は1以上2以下であることがわかっているものとします．

• 求める精度が例えば小数以下7桁である場合

1.0000000，1.0000001，1.0000002，1.0000003，と0.0000001ずつ大きくなる値について2乗して調べてゆく．1.41421の2乗は2.0000000より小さく，1.41422の2乗が2.0000000より大きくなるので，解は1.41421であるとする．

• 大きくしてゆく値を最初から0.0000001とせずに，例えば0.1として，1.42 < 2.0 < 1.52であることがわかったら，今度は1.4から始めて0.01ずつふやしてゆく．以降これを繰り返す．

• 上記の増加値は一回ごとに10分の1にしていましたが，これを半分ずつにする．つまり0.1の次は0.05，その次は0.025...という風にする．

とりあえず一番目の方法によるプログラムを考えてみましょう．