19.2 単位

ビットとバイト

ビット列の長さ,または 2進数の桁数は, 表現可能な情報の量を表していると言えます. そこで,ビットの数を情報量の基本単位とし,「… bit (ビット)」というように用います. また,省略形として, b を用いることもあります.

ビットという単位は,やや小さ過ぎて使いにくい側面があります. そこで,もう少し大きな単位として, Byte (バイト),その省略形として B があります. 1バイト = 8ビット であり, 1バイトは 28 = 256 通りの情報を表します. この後の「文字」のところで説明するように, 一般に英数字であれば 1文字は概ね 1バイト, 漢字であれば 1文字は概ね 2バイトで表現されます. したがって,英数字からなる文書ファイルのバイト数は, おおよそ,そのファイル内の文字数に相当します.

倍量単位と接頭語

実際には,バイトでも,まだ単位としては小さいため, K (Kilo/キロ), M (Mega/メガ), G (Giga/ギガ), T (Tera/テラ) などの接頭語を付けた倍量単位が使われます.

通常の物理量を表す国際単位系でも, このような接頭語が使われます. 例えば周波数の単位である Hz では, 次のような関係にあります.

ビット/バイトなど情報量に関しても, これと同じ 10の整数乗倍の意味で使われます. しかし,同じ接頭語を使っても, 1000 (= 10の3乗) ではなく, 1024 (= 2の10乗) を掛けていった大きさの意味で使われる場合もあります. その場合は,キロに関しては k ではなく K という記号を使うようです. M 以降はもともと大文字なので, どちらの意味なのかを区別することができません.

通信速度の単位

通信速度 (単位時間当たりに通信できる情報量)には, bps (bits per sec./ビット パー セック)を用います. 1 bps は,1秒間に 1 ビットだけデータを転送できる通信速度です. bps も接頭語を付けて倍量単位が用いられます. たとえば,通常のモデムであれば 56 kbps, ISDN (Integrated Service Digital Network) 回線であれば 64 kbps という具合です.

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1 Gbps の通信速度では, 1 ms (ミリ秒 = 1/1000 秒) に (1) バイトを転送できます. また, 50 MiB のデータは (2) ms で転送できます.