17.3.1.2 検索パターン

grep コマンドの1番目の パラメータは検索パターンと呼ばれます． 一番単純なパターンは"1960"というような普通の文字列で， その文字列と同じ綴りの文字列を指定します． 他のパターンには以下のようなものがあります．

• 任意の一文字はピリオドで示します．
• ある文字列に含まれるどれか一つの文字は[文字列]で示します． たとえば "[aeiou]" は英字の母音文字の一つを示します．
• ある範囲内にある一文字は[文字-文字]で示します． たとえば "[0-9]" は数字一文字で， "[0123456789]" と同じです．
• 「直前にある一文字 (を表すもの)」の0回以上の繰返しを "*" で表します． たとえば "ee*" は e, ee, eee, eeee, ... を表し， "[0-9][0-9]*" は数字の列を表します．
• 「直前にある一文字（を表すもの）」の k 回以上 m 回以下の繰返しを "\{k,m\}" で表します． ちょうど k 回の場合は "\{k\}" です．
• 行の頭は "^"， 行末は "$" で表します．

パターンにスペースや [, ], * などの他の特殊文字が含まれる場合は， パターン全体を引用符で囲みます． これらの特殊文字が， コマンドラインの解析で先に解釈されてしまうのを防ぐためです． また， これらの特殊文字を「その文字そのもの」とする場合は， バックスラッシュ (\) を前につけます． 「ピリオド3個」は \.\.\. というぐあいです.

ここまでの範囲でも， たとえば

• "The" で始まって "people." で終る文章 = "The.*poeple\."
• 空行あるいは空白しかない行 = "^ *$"
• 小数点つきの数 = "[0-9][0-9]*\.[0-9][0-9]*"

といったパターンが指定できます．

ここで説明したパターンの書き方は， 正規表現と呼ばれるものです． 理論的にも良い性質を持っています． grep だけでなく様々なコマンドやアプリケーション，プログラミング言語で使えます．

少し例を見てみましょう． 日本の都道府県の例を扱います． 次のファイルにデータが入っています．

Statis.txt

クリックして適当なディレクトリに保存してください．