6.2.3.11 ファンクションキー

アプリケーションソフウェアやオペレーティングシステムには,「直前の文字を一つ消す」「改行をする」「ファイルを保存する」とか「画面のコピーをとる」とか「文書の最後まで移動する」といったしばしば行われる操作があります.それらの操作を行うたびに,マウスを動かしてメニューを選ぶのは効率的とは言えません.「文字を消す」や「改行をする」ためにはbsenterというキーがあることはすでに見ました.では,他の操作はどうでしょうか.

実はあるときコンピュータを設計する人は,「ならば,『これを押せば文書の最後まで移動する』というキーを作ってしまえ」と思い,沢山の種類のキーのあるキーボードを作りました.しかし,例えば「単語を置換するキー」があれば文書編集を行うアプリケーションソフトウェアでは便利かも知れませんが,お絵描きアプリケーションソフトウェアでは無用だ,というように,キーの種類を無闇に増やすのも考えものです.そこで,コンピュータを設計する人は「便利なキー1」「便利なキー2」……のように「押したときに何が起きるかはアプリケーションソフトウェアによって違う」キーも作りました.

これらのキーは「ファンクションキー」と呼ばれているキーに深い関係があります.といっても,実は「ファンクションキー」という言葉は2種類のキーを意味するので注意が必要です.まずは,その2つを整理しましょう.

以下では,このfnキーとファンクションキーについて順に説明します.

fnキー

fnキーは,もともとキー数の多いキーボードでは独立したキーだったものを,fnキーと他のキーを組み合わせることで代用するためのものです.Happy Hacking Keyboardでは,fnキーを押しながら他のキーを押すことで「そのキーの前面に書かれている名前のキー」を押すことの代用ができます.例えば

ファンクションキー

ファンクションキーは,(すでに説明したように)「押したときに何が起きるかはアプリケーションソフトウェア(やオペレーティングシステム)によって違う」もので,「F1」「F2」「F3」…「F12」のように書かれたキーになっています.従って,あるアプリケーションソフトウェアで「F3」というキーを押したら「文字列の検索」が行われるかも知れませんし,別のアプリケーションソフトウェアでは「詳しい情報の表示」が行われるかも知れません.

Happy Hacking Keyboardではファンクションキーはどこに配置されているでしょうか? キーボードの最上段の「1」「2」「3」…と書かれたキーの前面に「F1」「F2」「F3」…と書かれていますね.fnキーの説明のところで見たように,Happy Hacking Keyboardではfnキーを押さえながらあるキーを押すと,そのキーの前面に書かれている名前のキーを押したのと同じことになるので,「F3」を押したかったらfnを押さえながら「3」というキーを押せばよいということになります.ここでは簡単のためにfn 3(F3)と書くことにします.「F11」や「F12」というキーは,「-」(マイナス)や「^」(ハット)と書かれたキーの前面なので,fn -(F11)やfn ^(F12)と書きます.

それぞれのファンクションキーに割り当てられている機能は,オペレーティングシステムやアプリケーションによって異なるのですが,ここでは,Mac OS Xにおけるファンクションキーを使った便利機能を紹介しましょう.

advanced_s6.2.3.11.1 エクスポゼ

エクスポゼは一度に開いているウィンドウを画面上に並べる,ファンクションキーを用いたMac OS Xの機能です.


基本的なキーについてはここまでで大体説明しました. しかし,Happy Hacking Keyboardには他にもいろいろなキーが存在し, アプリケーションによって様々な役割を果たします. それらについては, 各アプリケーションのヘルプ, 解説書などを参考にしてください.