18.1 計算機と情報処理

計算機 という言葉によって抱くイメージは人それぞれで違うと思います. 算盤(そろばん),計算尺,電卓など計算する機械は, すべて計算機と呼んで良いでしょう. コンピュータ / 電子計算機 も計算機の一種ですが,近年急速に社会に浸透していて, 欠くことのできない存在になっています. 情報処理の観点で狭い意味の計算機とは,コンピュータのことを指します. しかし,何故これほどまでに計算機が利用されるようになったのでしょう. そもそもコンピュータとは何であり, それまでの機械との違いはどこにあるのでしょうか?

歴史的に見ると,計算機は元々文字通り「計算をする機械」でした. すなわち,数値情報のみを対象として, 四則計算(加減乗除)などの限られた計算を行なう機械に過ぎませんでした. しかし,コンピュータと呼ばれる機械には以下のような性質があり, そのため急速に利用されるようになったと考えられます.

つまり,情報一般を処理する 情報処理システム であることが,コンピュータの最大の特徴であり, 急速に発展した原因であると考えられます.