17.8.1. 汎用インターフェース
コンピュータには後から様々な機能が追加できるよう、外部機器を接続するためのインターフェースが用意されています。ここでは普及している有線インターフェースとして、USB と Thunderbolt を、無線インターフェースとして Bluetooth と NFC を紹介します。
USB #
USB は Universal Serial Bus の略で、文字通り「色々な機器に使える」ことを目指して作られた規格です。 17.9. レガシーな規格 で紹介するように USB が登場する以前はキーボード、プリンタやモデムをコンピュータに繋ぐのにバラバラの規格を利用しなければいけませんでした。しかし 2000 年頃に USB が登場して以降着々と USB の浸透は進み、他の規格をほとんど駆逐するほどの大成功を収めました。
USB 規格は細かく分けると USB 1.0/1.1, USB 2.0, USB 3.0, USB 3.1, USB 3.2 の各バージョンに分かれています。時代が進むのに伴って USB も進化し、高速化が図られています。2016 年現在では USB3.0 対応製品が一番普及していますが、2016 年現在では USB3.1 に対応したポートを搭載する機器も増えてきました。
また USB の長所の一つに下位互換性があります。たとえば USB3.0 対応のフラッシュメモリは USB2.0 規格のポートに接続しても使うことができます。もちろん USB デバイスの性能を生かすにはポートとデバイスの規格を合わせないといけませんが、単に使うだけならそのような心配をする必要がありません。
なお、USB には様々な種類のコネクタが用いられます。以下に例を示します。
- Standard-A
- Standard-B
- Mini-A
- Mini-B
- Micro-A
- Micro-B
- Type-C
近年では、スマートフォンなどの機器の電源供給にも広く USB が利用されています。
Thunderbolt #
Thunderbolt は 2011 年に登場し、バージョンの変遷を経て 2016 年現在 Thunderbolt 3 が主に用いられています。
Thunderbolt には大きな特徴が 2 つあります。1 つ目は、ケーブル内を色々な種類のデータを通ることができるという点です。たとえば Thunderbolt ではハードディスクのデータも、ディスプレイの信号も伝送できます。このため、同じケーブルやポートを様々な機器に使えて便利になります。2 つ目は機器を数珠つなぎにできるという点です。USB ではハブを使ってケーブルを分岐させますが、Thunderbolt ではそうする必要がありません。
なお、Thunderbolt 3 ではポートの形が USB Type-C と統一されており、流れる信号の種類で区別されています。機器によっては、USB Type-C ポートを備えていても Thunderbolt 3 には対応しない場合があります。
Bluetooth #
Bluetooth は無線で機器の通信を行うためのインターフェースです。事前に通信する機器を結びつける操作 (ペアリング) をしておくことで、多少離れたところから機器を操作することができます。
通常、Bluetooth は数メートル以内の短い距離で用いられます。たとえばヘッドフォン、携帯電話、キーボードやマウスをコンピュータと無線接続するのには Bluetooth が使われます。
NFC #
NFC (Near Field Communication, 近接場通信) は 10cm 程度の通信が可能な無線インターフェースです。通信できる距離が著しく短いので、NFC では 2 台の機器を「かざす」ことによって通信を行います。スマートフォンに NFC が搭載されることが多くなりましたが、スマートフォン同士をかざすことでデータのやりとりができるのは NFC のためです。
NFC は長距離の通信や大きなデータの通信には向きませんが、かざすだけで通信ができるというメリットがあります。そのため短いケーブルでの通信を NFC に置き換えれば、ケーブルを接続する手間を省くことができます。また短距離でしか通信できないという特性上、NFC での通信は盗聴されにくくなります。そのため Bluetooth 機器のペアリングに NFC が用いられることもあります。