3.1 教育用計算機システムとは

これがiMac端末

東京大学の教育用計算機システムは,大学全体で利用できる教育のためのコンピュータ システムで, ECCS (Educational Campuswide Computing System) という略称で呼ばれています. 情報基盤センターが管理,運営しています.

教育用計算機システムで利用できる端末としては,iMac端末とCAD端末と呼ばれる2種類があります.1学期の情報の授業は,iMac端末を使って行われます.よって,いま読んでいるインターネット上の教材である「はいぱーワークブック」では,iMac端末の利用を前提に書かれています.情報教育棟の中で,この文章を読んでいる人は,きっと目の前に20インチの液晶モニタがあることでしょう.それがiMac端末です.

[iMac端末の写真]

モニタがあるのは分かるが,肝心の本体が見当たらない,と思う人がいるかもしれませんが,本体はモニタに内蔵されています.iMac端末の構造は,家庭用のパーソナルコンピュータと全く同じです.しかし,その運用のされ方は家庭用のものと異なります.

ネットワークによる集中管理

教育用計算機システムのiMac端末は,コンピュータのネットワークでつながれています. そのために,どの端末を利用しても,同じ環境を利用することができます.(昨日座った席と同じ席に座らないと昨日書いたレポートの続きができない…ということはありません!) 企業や大学など大規模の組織では,このようなネットワークによる管理を行うことが一般的です. 全ての端末は中央のコンピュータにより集中的に管理されています.そのような管理をするコンピュータはサーバコンピュータと呼ばれます.サーバが管理するコンピュータを端末と呼びます.

network.jpg

教育用計算機センターでは1,000台以上のiMac端末があります.

Mac OS X について

iMac端末では,アップル社のMac OS X というオペレーティングシステムが使われています.(オペレーティングシステムとは何かは後の章で解説します.さしあたりは大雑把に「環境」のような意味ととらえてください.) もしかすると,高校の情報の授業ではマイクロソフト社のWindowsが使われたかもしれません.Mac OS X もMicrosoft Windows もそれぞれ特徴のある優れたオペレーティングシステムですが,基本的な部分は変わりません.つまり,今までMicrosoft Windows を使いながら学んだ概念は,これからMac OS Xを使う上でも役に立ちます.また,Mac OS Xを通じてはいぱーワークブックでこれから学ぶ概念は,将来(Microsoft Windowsを含めて)別のシステムを使う場合でも必要になることです.

現在のところ,家庭用コンピュータのオペレーティングシステムではMicrosoft Windowsのシェアが高いため,大学でも同じ環境を使いたいという人もいるかもしれません. しかし,複数のオペレーティングシステムを通してコンピュータを操作することは,コンピュータを抽象的に理解し,さらには「情報」という概念についての理解を深めることにつながります. 同じ会社の製品でもコンピュータの使い心地は数年経てば大きく変わります.そこで,はいぱーワークブックでは,(すぐに役に立たなくなってしまうような表面的な知識ではなく),未来に新しいコンピュータに触れる時にも役に立つような深い理解を目指しています.

大学でMac OS X を用いて学ぶことを,ここはひとつ積極的に捉えてみてください.