13.1.1 ファイルとは？

「ファイル」とは，データのひとまとまりのことを言います．コンピュータの中では，全てのデータはファイルという形で管理されています．

ファイルにはいろいろな種類のものがありますが，大きく分けてデータファイルと実行可能ファイルに分類することができます．データファイルの例として，授業のレポートのような文書ファイルや，音楽の入った音楽ファイル，画像の入った画像ファイルが挙げられます．これに対して，実行可能ファイルは，実行できるプログラムが納められているファイルです．実行可能ファイルは，一般的には直接編集することができません．

Mac OS Xではファイルは「アイコンとファイル名」という形で表され，アイコンを見るとそのファイルの種類が大体分かるようになっています．Mac OS Xでファイルを示すアイコンにはたとえば以下のようなものがあります．

左から，音楽の入ったAACファイル，文書の入ったRTFファイル，画像の入ったJPEGファイル，ウェブページ用のデータが入ったHTMLファイル，実行可能なプログラムの入ったJavaクラスファイルです．

ファイルの名前

全てのファイルには名前が付いています．ファイルについている名前をファイル名といいます．

自分でファイルを作る場合には好きな名前を付けることができますが，Mac OS Xが扱えるファイル名の長さは255文字まで，という制約があります．あまり長い名前を付けても不便なだけなので，できれば短くて分かりやすい名前を付けるのがよいでしょう．

ファイルに名前を付けるときには大文字と小文字の英数字，そしていくつかの記号を使うことができます．大文字と小文字は区別されます．

ターミナルでファイルを操作する可能性があるなら，名前に使用する記号としては，英数字の他に，ハイフン(-)，ピリオド(.)，アンダースコア(_)だけにした方がよいでしょう．他の記号，たとえばアスタリスク(*)，バックスラッシュ(フォントによっては円記号)(\)，疑問符(?)などはターミナルでコマンドを入力する際に特別な意味を持つ文字なので，ターミナルで入力したコマンドが意図したものと全く違ってしまうことになります．また，ターミナルで操作する可能性のあるファイルには，日本語の入ったファイル名を付けるのも避けた方がよいでしょう(Mac OS Xのターミナルがまだ完全に日本語に対応していないためです)．

(ターミナルやコマンドの扱いについては12. コマンドを参照してください．)

拡張子

ファイル名の一部として，ピリオド(.)以下に特定の文字列を記してファイルの種類を明示することが頻繁におこなわれます．

このピリオド(.)以下の文字列を，ファイルの「拡張子」と呼びます．

たとえばindex.htmlという名前のファイルは，最後のピリオド以下の部分「.html」によってHTML形式のファイルであることが明示されています．

拡張子は， Mac OS X の初期設定では Finder で見ても表示されないようになっているので，これをあまり意識する機会がないかもしれませんが，ファイルを操作する上ではとても重要な知識です．詳しくは，13.5.3 拡張子を参照してください．

隠しファイル

名前がピリオド(.)から始まるファイルがあります (例えば ".forward" や ".cshrc" など)．

こういう名前の付け方がしてあるファイルは多くの場合，プログラムの設定などを記述したファイルであり，いわゆる隠しファイルになっています．主にシェルの設定ファイルやアプリケーションの設定ファイルなどが隠しファイルになっています．

隠しファイルは普通にFinderで操作している間は表示されません． 隠しファイルを見るには，ターミナルを使って ls -a コマンドを入力する必要があります (詳しくは13.4.6 一覧表示で説明します)．