26.1.7.4 仕様書

ラジオや携帯電話は,工業製品として大量に作られます.作るときには「これこれこういう機能があり,こんな形で,こういう部品を使って…」という製品の仕様書があり,それに従って具体的な製品がひとつひとつ出来上ってゆきます.いきなり実物を作るのではなく,まず仕様書を書いてから製造する方法には

製品の仕様書に当るものを,Javaではクラス(class)と呼びます.そして,具体的な製品(に当るもの)はインスタンス(instance,具体物)と呼ばれます.Javaによるプログラミングは,したがって「クラスを作る」ことと等価になります.これまでに出てきた例題では,プログラムは

class Example {
...
}

という形をしていました.これは「Example というクラス」,すなわち仕様書を書いていたことになります.これに対して Pascal や C で書いていたプログラムは,手続きや関数の部分以外はインスタンスに相当します.手続きや関数は,呼出されるたびにコピーが作られますから,その定義は仕様書に相当します.