22.1 デジタルとアナログ

アナログとデジタル

アナログとは,電気信号の強弱などの連続量によって情報を表現または処理することです. たとえば,マイクという入力機器に入力された音の振動は,最初はアナログデータとして電気信号の強弱として表されます.

一方,デジタルデータは,離散的な数値の列で表現されたデータです.コンピュータの中ではデジタルデータは,01のビット列で表現されています.たとえば,デジタルデータを電気信号で表すとすると, 0であることを0ボルト付近として,1であることを5ボルト付近にするなどして0と1の並びを表すことになります.

レコード盤は,レコード盤上の溝にアナログデータとして音楽を記録しています.音楽CDはデジタルデータとして音楽の情報を記録しています.

情報の劣化

アナログデータは,経年変化や情報の複製によって波形が崩れるなどして,劣化しやすいという欠点を持っています.

[アナログデータの劣化を示す図]

一方,デジタルデータは,多少の波形の変化があっても,01の情報さえきちんと読み取れれば,情報が保たれます.情報の複製によっても劣化しません.

[デジタルデータのコピーの図]

たとえば,レコード盤は,何回も聞いていると摩耗して,音が劣化してきます.テープなどにダビングすることによっても音質が変わります.

一方,音楽CDは,何回聞いても基本的には音が劣化しません.CDの情報をCD-Rにコピーしても,原理的には信号が劣化しません.