18.7 オペレーティングシステム

コンピュータがプロセスを起動する場合, 実行するプログラムや処理対象のデータは最初からメモリ上にあるわけではありません. 通常, プログラムはハードディスクなどにファイルという形で保管されています. したがって, プログラムファイルをメモリに読み込んで, プロセスが実行されます. このようなプロセスの実行手順もプログラムされたものであり. オペレーティングシステム (Operating System / OS) と呼ばれるプログラムによって管理されています. すなわち,コンピュータを使う人がオペレーティングシステムに対して コマンド (command: 命令) という形でプログラムを指定すると, オペレーティングシステムがそのプログラムをプロセスとして実行するわけです.

Windows XP , Mac OS X , Solaris, Linux などは, この オペレーティングシステムの一種です,

オペレーティングシステムは, コンピュータの電源投入の直後に起動され, コンピュータの稼働中, 常に実行されているプログラムです. ユーザの要求に応じたプロセスの実行管理, 各プロセスの要求に応じてメモリ資源や入出力資源の管理, などを行ないます. すべてのプロセスはオペレーティングシステムによって起動・管理されています.

となると, オペレーティングシステム自体は, どのようにして起動されるのでしょうか? コンピュータに電源が投入されると, まず ブートローダ (boot loader) と呼ばれるプログラムが実行され, このブートローダが (通常はハードディスクから) オペレーティングシステムを読み込んで起動します. 場合によっては, ブートローダ自体も別のブートローダによって起動されるというように, 最初は非常に小さなプログラムから始めて, 数段階にわたって大きなプログラムを起動していくこともあります. このような起動の過程を, ブートストラップ (bootstrap) と呼びます. そのため, コンピュータ自体を起動することを「ブート(する)」ということがあります. 授業で利用している iMac端末は, オペレーティングシステムを他のコンピュータのハードディスクからネットワークを介して読み込んで起動します. このような起動方法を ネットワークブートと呼びます.