コンピュータというハードウェアは情報を処理する機械です. ここで1つ注意して貰いたいのは, 全くの無から情報が生じることはないということです. まず,何らかの形で情報が入力され,それを元に情報処理が進められます. さらに,その結果を何らかの形で出力しなくては, 処理された情報は利用されることなく消えていくことになります. つまりコンピュータとは,図に示すように, 情報が入力されると それを加工処理して出力する機械, ということになります. 情報処理 にあって, 入力 と 出力 は非常に大切な概念であり,常に意識しておくことが肝要です.
ところで, 入力情報を処理・出力する機械がコンピュータであると言ってしまうと, 前の例に挙げたビデオデッキもコンピュータということになってしまいます. コンピュータの大きな特徴として, 「プログラムによって情報処理の機能を変更できる」ことが挙げられます. ビデオデッキがビデオの録画や再生,CD プレーヤが CD の再生のみを行う 特定機能の機械であるのに対して, コンピュータはプログラムを変えることによって機能が変わる機械であり, それが本質的な特徴になっています. 実際,現在ではパソコンであっても, ビデオ情報や音声情報を再生するプログラムによって, ビデオデッキや CD プレーヤのように利用できます.(逆に,ビデオデッキをワードプロセッサとして使うことはできませんね.)
プログラムは,それ自体も情報の一種であり, 「情報処理の作業内容を表した情報」と位置付けられます. つまり,情報処理の観点では, 「処理内容を表す情報」と「処理対象となる情報」の 2つの異なった情報があることになります. これらを区別する際には,前者を プログラム (program),後者を データ (data) と呼びます. ソフトウェアは,プログラムとデータの2種類に区別できますが, その関係が固定的でないことに注意する必要があります. たとえば,プログラムファイルをコピーする作業を考えると, コピー対象のプログラムファイルはデータに他なりません.
18.2 ハードウェアとソフトウェア | 18.3 プログラムとデータ | 18.4 プログラミング | ||
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Thu, 24 Mar 2005 04:14:03 JST (1590d) |