定理や数式に番号をふって,「定理2.1より」とか「式(1)より」など文章のなかでその番号を参照したいことがあります.そのまま,文章の中に番号を直接書くこともできますが,もし途中で数式がひとつ増えて番号がずれたときに,すべて手直ししなくてはなりません.そのようなことをさけるために,参照したいものにラベルをつけて,ソースとなるテキストの中ではそのラベルを参照することにより,正しい番号を引用してくれる仕組みがLaTeXにはあります.新しい数式が途中で増えて番号がずれても,適切に引用してくれます.
参照したいものにラベルをつけるにはlabelコマンドを使います.そのラベルがつけられたものを引用するにはrefコマンドを利用します.
まず,数式に数式番号をふるにはequation環境を使います.equation環境は,beginで始まり,endで終わり,その挟まれた部分に数式を書きます.$$で挟んで,
$$数式$$
と書いた場合と似ていますが,数式番号が出力されるところが違います.
\begin{equation} a^{p-1} \mbox{ mod } p = 1 \end{equation}
数式の表示には,equation環境の他に,複数の数式を表示するのに便利なeqnarray環境もありますが,ここでは説明しません.
引用される数式にラベルをつけるには\labelコマンドを使います.ここでは,ラベルはほかのものと区別するためにつけるので,比較的自由に選べますが,ここではラベルをeq:fermatとしましょう.eqは引用されているものがequationであることが人間にわかるようにつけています.数式ならばかならずeqをつけなければならないというものではありませんが,いろいろなものにラベルをつけていると,何につけたラベルなのかファイルを編集している人が混乱してしまうことがあるので,そのような慣習になっています.
そのラベルがつけられた数式を引用するには\refコマンドを利用します.
pを素数としたとき, \begin{equation} a^{p-1} \mbox{ mod } p = 1\label{eq:fermat} \end{equation} 式(\ref{eq:fermat})は,フェルマーの小定理と呼ばれます.
コンパイル結果は以下のようになります.
ただし,相互参照がある場合には,platexコマンドによるコンパイルを2回する必要があります.
上では数式の引用のみを説明しましたが,たとえば,章番号の引用も同様にできます. 参考文献の引用をしたいときは,citeなどのコマンドを使いますが,ここでは説明しません.
24.2.5 数式の書き方2 | 24.2.6 相互参照 | 24.2.7 TeXシステムのインストール | ||
2009年度版に向けて現在作業中です.
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Thu, 27 Oct 2005 19:26:33 JST (1373d) |