16.3.11 引用

HTML文書中で他人の書いた文章を引用するための要素として,q要素とblockquote要素が用意されています.q要素は短い文章を引用するためのインライン要素で,自分の書いた文の中に引用文を埋め込む場合に使います.たとえば次のような使い方をします.

例:

『共産党宣言』の冒頭でマルクスは<q>今日までのあらゆる社会の歴史は,階級闘争の歴史である</q>と述べている.

『共産党宣言』の冒頭でマルクスは今日までのあらゆる社会の歴史は,階級闘争の歴史であると述べている.

一方,まとまった文章を引用するときはblockquote要素を用いるようにします.

例:

<blockquote>
<p>
公共的サービスがこのような否定的な態度で見られているのにたいして,指摘に生産される物はそうした態度で見られていない.それどころか,近代的な宣伝によってうるさいほど賞賛されている.それらは社会の終局的な富だとされている.公共的サービスと私的なサービスとの競争は,それらがもたらす満足の問題を別にすれば,明らかに平等な競争ではない.この差別―私的な物を尊重し,公共的なものを劣等視するこの傾向―の社会的影響は大きく,また深刻であるとさえ言えよう.
</p>
<p>
<cite>ガルブレイス『ゆたかな社会』</cite>
</p>
</blockquote>

公共的サービスがこのような否定的な態度で見られているのにたいして,指摘に生産される物はそうした態度で見られていない.それどころか,近代的な宣伝によってうるさいほど賞賛されている.それらは社会の終局的な富だとされている.公共的サービスと私的なサービスとの競争は,それらがもたらす満足の問題を別にすれば,明らかに平等な競争ではない.この差別―私的な物を尊重し,公共的なものを劣等視するこの傾向―の社会的影響は大きく,また深刻であるとさえ言えよう.

ガルブレイス『ゆたかな社会』

引用した文献を明示するにはcite要素を用います.上の例でも使っています.

なお,一般にblockquote要素はいくらか字下げして表示されていますが,この字下げ幅は後に述べるCSSを用いると自由に変えることができます.