ここではコマンドのオプションについて学んでいきます. コマンドにオプションをつけることによって, コマンドの動作を変えることができます.
date は現在の時刻を出力するコマンドです.
date 火 3 25 15:40:33 JST 2008
JST は日本標準時 (Japan Standard Time) を意味します.
date コマンドに -u というオプションをつけてみましょう. date -u のようにコマンドのあとに空白をあけて入力します.
date -u 火 3 25 06:41:40 GMT 2008
今度は JST のかわりに GMT と表示されました. これはグリニッジ標準時 (Greenwich Mean Time) を表しています. 時刻の表示も 9時間ずれています. date コマンドに -u というオプションをつけることによって, 動作が変わったのです.
このように「-」のあとに文字を指定することにより, コマンドにオプションをつけることができます. つける文字によっていろいろなコマンドがいろいろな動作をするのです.
次は ls というコマンドを例にとりましょう. このコマンドはファイルの一覧や情報を見るためのものです. 詳しくはファイルシステムの項を参照して下さい.
オプションを何も指定しないで入力した場合は以下のようになります.
ls Desktop Documents Library Movies Music OLDHOME Pictures Public Sites
なにやらいくつかの名前が表示されました. これは, 現在のディレクトリにあるファイルやディレクトリの名前なのです.
では次に -l というオプションをつけて実行してみましょう.
ls -l
この -l というオプションをつけることにより, ls はファイルのより詳細な情報を提供するようになります.
以下の実行例を見て下さい.
ls -l 合計 4 drwx------ 2 g999999 student 23 1 14 21:59 Desktop drwx------ 2 g999999 student 23 1 14 21:59 Documents drwx------ 19 g999999 student 4096 3 25 15:29 Library drwx------ 2 g999999 student 23 1 14 21:59 Movies drwx------ 2 g999999 student 23 1 14 21:59 Music drwxr-xr-x 4 g999999 student 31 2 21 01:11 OLDHOME drwx------ 2 g999999 student 23 1 14 21:59 Pictures drwxr-xr-x 3 g999999 student 55 1 14 21:59 Public drwxr-xr-x 3 g999999 student 68 1 14 21:59 Sites
それぞれについての詳しい内容が表示されました. ここではそれらの表示の意味が理解できなくても結構です. のちに学ぶ 13. ファイルシステムの項で解説します.
複数のオプションを同時に指定することもできます.
下の例では -l オプションと,ピリオドで始まるファイルも含めたすべてのファイルを表示する -a というオプションを同時に指定しています. ピリオドで始まるファイル名は通常は隠しファイルになっていてみることができませんが, -a というオプションをつけることによって, ls の動作が変更されるのです.
ls -al 合計 192 drwx------ 12 g999999 student 4096 3 25 15:31 . drwxr-xr-x 3102 root wheel 77824 3 19 21:25 .. -rw-r--r-- 1 g999999 student 4 6 17 2002 .CFUserTextEncoding -rw-r--r-- 1 g999999 student 6148 2 28 00:00 .DS_Store drwx------ 2 g999999 student 6 3 25 15:29 .Trash -rw-r--r-- 1 g999999 student 82 2 28 00:00 ._.DS_Store -rwx------ 1 g999999 student 82 3 25 15:29 ._.Trash -rw------- 1 g999999 student 82 1 14 21:59 ._Desktop -rw------- 1 g999999 student 82 1 14 21:59 ._Documents -rw------- 1 g999999 student 82 2 18 19:55 ._Library -rw------- 1 g999999 student 82 1 14 21:59 ._Movies -rw------- 1 g999999 student 82 1 14 21:59 ._Music ....(以下略)....
同時に複数のオプションを指定するには, -l -a とスペースで区切って並べてもよいですし, -al のように一度に書いてもよいです.
オプションにおいても,コマンド名と同様,大文字と小文字は区別されます. 例えば, ls に -S というオプションをつければ,ファイルが大きさ順にソートされて出力されます. -s というオプションをつけるとファイルの大きさがキロバイト単位で表示されます.
コマンドは, オプションとパラメータを同時にとることもできます. その場合は,「コマンド名+オプション+パラメータ」の順番になります.
ls -l .bash_history -rw------- 1 g999999 student 4096 3 25 15:29 .bash_history
オプションのあとに数字などオプションのパラメータを取ることがあります.
例えば head は指定したファイルを先頭から10行分出力するコマンドです. オプション -n の後に数字を続けると出力する行数を10行以外に指定することができます. 例えば.bash_historyという今までにターミナルから入力したコマンドを記録しているファイルの中身を先頭から5行見てみましょう.
head -n 5 .bash_history cal cal 2008 echo hello date date -u
上の例では,「head」がコマンド名,「-n 5」の部分がオプション,「.bash_history」がパラメータとなります.
「5」は -n オプションのパラメータで,コマンドのパラメータとは異なるので注意してください. head コマンドの -n オプションはパラメータを取るものなので,次に来るものがパラメータと解釈されます. その後に来るものは,別のオプションでなければコマンドのパラメータと解釈されます. オプションがパラメータを取るかどうかはコマンドによって異なります.
コマンドにはたくさんのオプションがあります. 各コマンドごとに, つけられるオプションの種類も違えば, そのオプションによる動作も違います. ここで示したのはあくまで一般的な例です. コマンドにどのようなオプションをつけることが可能かを調べるにはマニュアルを参照します.
次節ではオンラインマニュアルの使い方を学びます.
calコマンドに-yというオプションをつけてみましょう.cal -y と入力すると出力がどうなるか実際にやってみてください.そして,次のうち正しいものを選んでください.
calコマンドの-yオプションは,1年のカレンダーを表示してくれます.cal -y 2009 とすれば,2009年のカレンダーを表示してくれます.
12.3 パラメータ | 12.4 オプション | 12.5 オンラインマニュアル | ||
2009年度版に向けて現在作業中です.
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Mon, 03 Mar 2008 13:36:03 JST (515d) |