日本では,プライバシーを守る権利(憲法第13条)や名誉を守る権利が認められています.
自分のウェブページや,公開されている掲示板などに, 特定の人や団体などの誹謗を行なうことがあるかもしれません.
必ずしも誹謗がいけないわけではない,すなわち正当なものもあるかも知れませんが, そのようなものでも多くのトラブルを引き起こす可能性があります. これに関しては各自で対処するしかありません.
また,中傷,すなわち根拠のない悪口を書き,相手の名誉を傷付けることは, 決して行なってはいけません. しかし,特にウェブにおいては匿名性が高いことが災いしてか, そのような事例が多々見受けられます. これに関しては名誉毀損罪 (刑法第230条) が構成され, 刑事あるいは民事で責任を問われる可能性があります.
また,公開の場で他人のプライバシー,守秘義務のある情報などを開示することに関しても,同様に問題になります.
「インターネットは匿名文化だ」と主張する人もいますし, 現在となってはそれも一面の真理かもしれませんが, それは無責任に中傷や情報開示を行なってもよいことを意味するわけではありません. 自らが発言したことに対しては責任を取る態度が求められているといえます. その意味で匿名性の高い掲示板やウェブページなどで発言を行なう場合には注意せねばなりません.
なお,教育用計算機システム他,東京大学のシステムに関しては, 情報発信は実名でなければならないと規定されていますし, その他の規制がなされています. どうしても匿名で発信したい場合には,家庭やその他の場所で利用するとよいでしょう. 当然その場合でも,法律やマナーは守らねばなりません.
自分に届いた他人からのメールメッセージを勝手に公開することによって, トラブルが発生することがあります. これは,いわゆるプライバシーの侵害というものにあたる可能性があるため, 特に注意しなければなりません (民法第709条).
必ずしもメールメッセージを公開したからといって権利の侵害となるとはいえないかもしれませんが, それは時と場合によりますし, 常識やマナーというものが存在します. トラブルを起こさないように気をつけましょう.
なお,他人宛の郵便物(信書)を開封して勝手に読むことは刑法第133条に照らして犯罪といえますが, 電子メールに関してこれが適用されるかどうかは微妙かもしれません. なぜなら,電子メールは信書にあたるかどうかが疑問であるためです.
なお,電子メールにおける通常のやり取りは著作物性が否定される可能性が高い ことも付け加えておきます.
21.4 不正アクセス | 21.5 プライバシーや名誉 | 21.6 著作権や肖像権 | ||
2009年度版に向けて現在作業中です.
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Mon, 28 Feb 2005 03:01:15 JST (1615d) |