26.1.7.1 クラスとメソッド

Javaに限らず,ふつうのプログラム言語でプログラムを書くと,ちょっとしたことをやらせるものでもプログラムがすぐに大きくなります.平均や分散などの集計をやらせるだけでも十行はすぐ越えますし,少し複雑な処理だと百行や二百行になります.千行のプログラムなども,実用の世界では極めて小さく,ふつう使われているものは一万から百万行にもなります.これを一人で作るのは並大抵の労力ではありません.時間もかかります.

このような「プログラム規模」の問題に対処する,ほとんど唯一の方法がプログラムの部品化です.あるひとまとまりの機能を実現する部分を作ったら,その後はその部分の細部に立ち入ることなく,それを単なる部品として使うようになります.そして,作った部品を組み合わせて少し大きな部品を作る,ということを繰り返してゆきます.この部品化のためにJavaが用意しているのがクラス(class)とメソッド(method)です.

プログラムを構成する要素は,代入を始めとする「データを操作する」文(statement)と,操作を受けるデータ(data)です.そして,文をいくつかまとめて,それらが使う作業データとともに一まとまりにしたものがメソッドです.

例題に最初から現われている

public static void main(String argv[ ]) { 
 … 
}

はひとつのメソッドで,mainはその名前です."void"は,mainメソッドが値を返さないことを意味する指定です,"String argv[ ]" はメソッドの パラメータです.では "public" や "static" は何の意味なのでしょうか.これは,ひとつ上の概念であるクラスの仕組みに関係してきます.