26.1.7.2 部品の考え方

現実世界で私たちが使っている「部品」について考えてみましょう.

ネジ
一般に「ネジ」と言っても,用途によって木ネジとかコンクリートネジとかに分かれていますから,使用目的に適したものを使う必要があります.しかし「ネジ」そのものは工場で作られますので,私達はそれを用意して使うだけで済みます.これが「部品」の基本形です.
ラジオ
ある一つの放送局しか受信できないカードラジオというものもありますが,通常のラジオは,放送を選ぶ指示(ダイヤルやボタン)によって,1台でいろいろな放送が受信できます.したがってラジオは,機能は一つでも,一種の パラメータを受けつける種類の部品ということができます.
ラジカセ
ラジオとカセットデッキ,あるいはCDプレーヤといった「部品」を組み合わせた,一段階上の複合部品です.ラジオに対する操作と,カセットデッキに対する操作が独立に可能ですが,ラジオの音声を直接録音するといったような,「部品を組み合わせて実現できる機能」に対する操作もあります. これらの部品には,独自の性質(ネジの太さやピッチ,受信できる放送バンドの数,収容できるCD枚数など)と操作(回す,選局する,音量を変える,CDを取り出すなど)とをもっているという性質があります.また,操作に応じて内部状態が変ってゆくのがふつうです.CDを再生している時の「現在の曲目番号」や「音量」などというのがその例です.