26.1.1.7 標準機能

電車の運行のように,我々は普段その詳細を知ることなく,そのサービスだけ受ければよい事柄をまとめたものを,コンピュータでは標準ライブラリ,標準パッケージ,システム機能などと呼びます.プログラマはその使い方を知る必要はありますが,その詳しい中味は知らないで済みます.

「電車に乗って買物へ行く」という問題の中で必要な電車に乗るためのノウハウをきちんと書いたものが,我々の言葉での「プログラム」です.そしてその中では,「切符を買って,やってきた車両に乗り込む」というだけで済むようになっているのです.そして,「切符を買う」という動作の詳しい説明はあらかじめ用意されているのです.

System.out.printはそのたぐいの「あらかじめ用意された機能」なのです.その役目は,文字列を一つ受けとり,それを画面に表示すること,です.

System.out.print(60*60*24);

では次のように処理が進行します.

  1. 数式60*60*24が計算される(60×60×24).
  2. その結果が"86400"という文字列として用意される.
  3. できた文字列がSystem.out.printに渡される.
  4. 文字列が画面に表示される.

内部では結構めんどうな処理をしていることがわかります.