19.1.2 n進数の意味

「110」と書いてあると,殆んどの日本人は何のためらいもなく, 「百十(ひゃくじゅう)」と読むに違いありません. それは一般の生活では 10進数を使っているからですが, 実際には「1」「1」「0」という3つの数字が並んだものでしかありません. もしも 2進数であるとすると,「110」は別の意味を持つことになります. ここでは表現された数字が n進数であることを示すために, 「110(n)」と書いて区別することにします.

それでは,m桁のn進数 「Am-1Am-2 … A1A0(n)」は, 幾つであると解釈すれば良いでしょうか? n進数の各桁にn種類の文字が使われ,n 毎に桁上がり起きるわけですから, 次のように解釈されるべきです.

Am-1Am-2 … A1A0(n) = Am-1×nm-1 + Am-2×nm-2 + … + A1×n1 + A0×n0

たとえば,10進数の「110(10)」であれば,

110(10) = 1×102 + 1×101 + 0×100 = 1×100 + 1×10

であり,まさしく「百十」ということになります. また,2進数の「110(2)」であれば,

110(2) = 1×22 + 1×21 + 0×20 = 1×4 + 1×2 = 6(10)

というように,10進数の「6(10)」に相当することになります.

exercise

16進数表示で1Fである数は,10進数表示に変換すると,(1) です.

さらに,小数点以下m桁のn進数 「0.A1A2 … Am-1Am(n)」 は,次のように解釈されます.

0.A1A2 … Am-1Am(n) = A1×n-1 + A2×n-2 + … + Am-1×n-m+1 + Am×n-m

たとえば,10進数と2進数の「0.101(10)」と「0.101(2)」は, それぞれ次のようになります.