11.2.1 文献情報の収集

ここではインターネットを使った文献検索の手段について簡単に解説します. 最近ではWWWによって非常に多くの情報が得られるようになりましたが, それでも書籍や学術誌,その他の資料など,文献によってのみ得られる情報は沢山あります.

今のようにインターネットが発達していなかった時代は,文献を探すことが非常に困難であり,文献収集自体が調査・研究の重要な部分をなしていました. しかし現在では,誰でも簡単に優れたデータベースを利用し,必要な文献を素早く見つけ出すことができるようになりました.

文献/蔵書データベース

ネットワークを介して利用するデータベースをオンラインデータベースと呼びます.現在,東京大学では様々なオンラインデータベースが利用できます. オンラインデータベースには,大きく分けて文献データベース蔵書データベースの2種類があります.

文献データベースは,自分の求める情報が含まれている文献を探す際に用います.つまり「こんな情報が欲しい」という要求に対して, 「こういう文献があります」という返事を返してくれるものです.

一方,蔵書データベースは,文献の名称などが既に分かっている場合に, その文献を所蔵している場所(主に図書館)を探す際に用います. つまり「この文献を見たい」という要求に対して, 「ここに行けばありますよ」という返事を返してくれるものです.

電子ジャーナル

近年では多くの学術雑誌が,従来の紙媒体だけでなく,インターネットを介してファイル(デジタルデータ)として購読できるようになりました.コンピュータ上で読むことができる学術雑誌を電子ジャーナルまたはオンラインジャーナルと呼びます.

論文のデジタル化は近年になって始まったため,古い論文は電子ジャーナルでは手に入らないなどの難点はありますが,図書館に足を運ぶことなく,コンピュータ上で必要な論文を手に入れることができるため,その利便性は言うに及びません.専門家として研究や学習を進めるにあたっては,電子ジャーナルは必要不可欠な情報源であり,その利用法の修得は最低限の素養と言っても良い状況にあります.

東京大学で利用可能なオンラインデータベースと電子ジャーナルについては,external_s東京大学付属図書館のページから最新の情報を得ることができます.

以上をまとめると,文献検索は,

  1. 文献データベースで欲しい情報が掲載された文献を探し出し,書名や掲載号を把握する.
  2. その文献が学術雑誌であればオンラインジャーナルで手に入るか確認する.
  3. その文献が書籍,またはオンラインで手に入らない雑誌であれば,蔵書データベースを利用して文献の所在を確認する.

という手順で行うことが多くなると考えられます.

次からはこの手順に従って,文献検索の方法を詳しく説明します.