24.2.2 TeXファイルのコンパイル

TeXファイルのコンパイルの仕方について説明します.ここでいうコンパイルとは,LaTeXにTeXファイルの中身を解析させて,コマンドで指定した通りに文書を整形してもらう作業のことです.整形後の文書は dvi という拡張子が付いた名前で出力されます.

練習のために,以下の sample.tex (前節と同じ内容) を, 適当なディレクトリにダウンロードして下さい. ファイル名を右クリックするとできます. この sample.tex をコンパイルして sample.dvi という整形済みファイルを作る手順を学びます.

% TeXファイルの見本
\documentclass[a4paper]{jarticle}
\title{TeXファイルの見本}
\author{東大太郎}
\begin{document} % 本文ここから
\maketitle
私の名前は東大太郎です.
今年東京大学に入学しました.
\section{趣味} 私の趣味は
\begin{itemize}
\item 映画鑑賞
\item ドライブ
\end{itemize} です.
\section{得意科目} 私は数学が得意です.
\[\sum_{k=1}^{n}a_k\]
\[\int_a^b f(x)dx\]
\end{document} % 本文ここまで

filesample.tex (utf-8)

sample.tex をダウンロードしたら,ターミナルを起動して, cd コマンドで sample.tex を保存したディレクトリに移動します (review_s13.4.3 カレントディレクトリの変更). そしてコマンドラインで以下のように入力します.

promptplatex sample.tex return2

platexコマンドが実行されると,ターミナルに数行に渡って作業経過を伝えるメッセージが表示されますが,TeXファイルに問題がなければ最後に以下のようなメッセージが表示されてコンパイルが終了します.

Output written on sample.dvi (1 page, 1272 bytes) Transcript written on sample.log

コンパイルが無事終了すると,sample.tex と同じディレクトリに sample.dvi が作成されているはずです.もしTeXファイルにコマンドの記述ミスなどの問題があった場合は,途中でエラーメッセージが表示され,その時点でコンパイルは休止します.

その場合は x return2 または control c と入力して, 一旦pLaTeXを終了します. そしてエラーメッセージをよく読み (大抵の場合「何行目の○○がおかしい」といった旨の警告が表示されます), TeX ファイル中の該当箇所を修正した上で再度コンパイルして下さい.

こうして作成されたDVIファイルを印刷するわけですが,いきなり印刷する前にディスプレイ上でプレビュー(下見)を行った方が安全です.TeXコマンドは間違っておらず,無事コンパイルできたとしても,自分の意図とは違う形で出力されてしまう場合もあるためです.

次はDVIファイルのプレビューと印刷の仕方を解説します.