16.1.2 HTTP

WWW にあるそれぞれの文書は, ウェブサーバ と呼ばれる世界中に分散したコンピュータの中に保存されています.例えばこのはいぱーワークブックは,情報基盤センターの中にあるコンピュータのどこかに保存されています.ウェブブラウザがウェブページを表示するには,まずは表示すべきウェブページをウェブサーバから受けとらなければいけません.そのためのウェブブラウザとウェブサーバの間の通信方法を規定するのがHTTP(HyperText Transfer Protocol)です.ハイパーテキスト(HyperText)を転送(Transfer)するための規約(Protocol)だから,こういう名前がつきました.

HTTPはプログラム同士の通信の内容を規定するものですから,基本的に皆さんが直接扱うものではありません.むしろ皆さんがウェブブラウザを操作した時にウェブブラウザが影で利用しているものです.ウェブブラウザがウェブサーバに対してリクエストを送るときは

などの情報が必要になり,逆にウェブサーバがウェブブラウザからのリクエストに返信するときは

などの情報が必要となります.HTTPは,こうした情報の書き方を規定したものです.

皆さんがHTTPに関する情報を直接目にするとすれば,おそらくエラーメッセージでしょう.ウェブサーバはウェブブラウザのリクエストに対し「ステータスコード」と呼ばれる3桁の数字を返していますが,エラーが起こるとウェブブラウザはステータスコードを画面に表示します.たとえば実在しないURLをウェブブラウザに打ち込むと HTTP 404 Not Found などと表示されると思います.この404が,ウェブページが存在しないことを示すステータスコードです.

ステータスコードには100番台から500番台まであり,エラーに対応するのは400番台と500番台になっています.全てを覚える必要はもちろんありませんが,400番台がウェブブラウザ側に原因のあるエラー,500番台がウェブサーバー側に原因のあるエラーを意味するということは,覚えておくと役に立つかもしれません.