16.1.6 情報発信の際の注意点

基本的には, 自分の利用できるコンピュータのなかでウェブサーバが動いていれば, 自分のウェブサイトをもつことができます. インターネットサービスプロバイダに加入してもウェブサイトを持つことができることが多いでしょう. これは, 個人が非常に簡単に世界中に情報発信する手段を持てるということを意味します.

そこで, 自分のウェブサイトを開設して情報発信するときの注意点を考えます.

まず当り前のこととして, 日本の法律の範囲内で情報発信をしましょう. インターネット以外の普通の場所で法律違反であることがらというのは, インターネットの上でも法律違反なのです. インターネットは匿名の世界だからなにをやっても分からないというのも間違いです. (警察などが)アクセスログなどをたどって行けばどこからアクセスしているかは特定できることが多いのです.

すると, 法律の範囲内ならば何をやってもいいかというとそんなことはなくて, 各ウェブサイトごとにサイトのポリシーというのがあって, 各ユーザはそれにしたがう必要があります. 教育用計算機システムの場合, 教育用計算機システムのexternal_s情報公開ガイドラインに同意するか確認して, 同意する人だけウェブサーバを利用できるようになっています.

以下で,WWWで情報発信する際のその他の注意点について書きます.

ウェブページを書くときの注意点のいくつかは, 電子メールを書くときの注意点と似ています. ただし, 電子メールにおいては多くの場合は1対1でやりとりされますし, メーリングリストのように多人数でやりとりされる場合にも多かれ少なかれある程度閉じた集団のなかでのやりとりです. しかし, WWWにおいては基本的に公開されているので, どんな人が読んでいるか分からないという点は注意しなくてはならなりません.

はじめて自分のウェブページを作って情報発信していると, どうせ友達しかURLを知っている人がいないと思って, 好き勝手なことを書きがちですが, それは間違いです. 自動的にネット上で動いている検索ロボット (review_s11.1.1 検索エンジンとは) がウェブページを集めていて, それが検索エンジンで引っかかったりするのです. 友達と話しているような井戸端的な感覚で書くべきではありません. みんなが見る掲示板に貼り出すようなものを書くぐらいの覚悟はもっていたほうがよいでしょう.

いずれにしても,自分が書いたことは世界中の人が見る可能性があるということに配慮して,自分の書いた内容に責任をもつことを心がけて下さい.逆にいえばいいっぱなしで責任を取れないようなことなら書くべきではありません.

例えば,本人に面と向かってはいえないようなこと,お店や売りものの商品などに対する批判的な評価などをウェブページで行うことは可能ですが,本当に自分がその発言を行うことに責任を取れるのかをきちんと考えてから書いて下さい.

また,ウェブページ上に,氏名やメールアドレス,顔写真など,個人情報を書く場合には,本当に公開してもよいかよく考えましょう.一般的には,住所や,電話番号,生年月日などの細かい個人情報は,必要な場合を除けば避けたほうが安全でしょう.

related_s21. コンピュータと社会の章も参考となるでしょう. また,絶対的なものではありませんが, external_sネチケットガイドライン(RFC1855)日本語版のようなものも参考にすると良いかもしれません.