28. シェルの活用

オペレーティングシステム(OS)にコマンド(命令)を入力するときに, 入力を処理してOSの中心部(カーネル)に橋渡ししてくれるプログラムをシェルといいます. ここではシェルを中心にコマンドについて再び考えてみます.

ユーザとの直接の対話を行なうところが「シェル」ですから, グラフィカルな操作が可能なものもあり得ますが, UNIXの世界では伝統的に文字によるコマンドで操作するシェルが中心的に用いられています.これをコマンドラインシェルと呼ぶこともあります.

シェルにはいろいろなものがありますが, 教育用計算機システムのコンピュータでは, 標準の設定では, シェルとして bash が使われます. 「ばっしゅ」と読みます.これは sh(ぼーんしぇる) と呼ばれるシェルを大きく拡張したものです.他にも tcsh(てぃーしーしぇる) と呼ばれるシェルや,その元となった csh(しーしぇる) というシェル. あるいは, zsh や ksh などといったシェルも存在します.はいぱーワークブックでは 主に bash について解説します.

シェルのことを学ぶと便利なことがいろいろできます.

28.1 フィルタ

パイプを使うとコマンドを組み合わせて一つの仕事をさせることができます.

28.2 リダイレクション

リダイレクションを使うとコマンドの結果の出力先を画面に出すかわりにファイルに切替えることができます.

28.3 環境変数

変数の中に検索パスなどのいろいろなことを設定することができます.

28.4 エイリアス

エイリアスの機能を使うと, 長いコマンドなどを短く登録しておくことができます.

28.5 初期設定ファイル

初期設定ファイルにこれらの設定を書き込んでおくと, 毎回ログインするたびに設定しなくてすみます.

28.6 便利なコマンド入力法

繰り返し似たようなコマンドを打ち込むときに労力が少なくてすむ方法があります.

28.7 ジョブ

ここを読むとバックグラウンドで仕事をさせることができるようになります.

28.8 シェルスクリプト

シェルスクリプトを使うと,コマンドを組合わせて新しいコマンドを作ることができます.