28.5 初期設定ファイル

シェルの初期設定ファイルについて学びます.

シェルに毎回ログインするたびに, 検索パスなどの環境変数の値を設定したり, 好みのエイリアスを登録するのは大変です. シェルが起動されるときに読み込まれる. シェルの初期設定ファイルに, そのような設定を書くことができます.

bashの場合には ホームディレクトリ直下にある .bashrc と .bash_profile という二つのファイルを初期設定ファイルとして用います.厳密にはこの二つのファイルは役割が違うのですが,ここでは設定を .bashrc に書くことにしましょう.

例えば,エイリアスと変数を自分の好みに設定してみましょう.

export EDITOR=emacs
alias more=less
alias mroe=more
alias ls='ls -F'
alias ll='ls -l'
alias rm='rm -i'
export PATH=$HOME/bin:$PATH

このように.bashrcに書いた上で保存しておきます.あるいは既にそのようなファイルがあるならば、そのファイルの末尾にでも書き加えておきます.

それだけではまだ反映されませんので,新しいシェルを開いてみましょう.例えばターミナルウィンドウを新しく開けば新しくシェルが起動されます.(なお,現在実行中のシェルに反映させるには prompt. .bashrc return2 (ピリオドの後にスペースを書き,さらにピリオド,b,a,s,h,rとcを入力)とします.)

これらのエイリアスは反映されたでしょうか. promptll return2 としただけで promptls -l return2 としたのと同じ表示になれば成功です.

次回シェルを起動するときには,既に .bashrc が存在しますから,勝手に読み込んでくれます.

なお,この初期設定ファイルはかなりのカスタマイズが可能です.上級者はシェルスクリプトなどをここに書いて,環境をうまく制御することもあります.うまい設定をまねることも上達への道かも知れません.

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.bashrc と .bash_profile という二つのファイルは役割が違うのですが.bash_profileはログインシェルを立ち上げたとき(新しくターミナルを開くなど)に実行されますので,.bash_profileから.bashrcを呼ぶように設定すれば,全て.bashrcでも大丈夫です.具体的にはホームディレクトリに .bash_profile という名前のファイルを作り,そこに

. $HOME/.bashrc

と書いておきます.

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初期設定ファイルは非常に重要なファイルです.変更するのに過度に慎重になる必要はありませんが,場合によってはシェルがうまく起動できなくなる可能性もあります.何か問題が起きたら詳しい人に相談してみて下さい.

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csh や tcsh では .cshrc あるいは .tcshrc がシェルの初期設定ファイルです.文法なども異なるので注意して下さい.なお, promptsource .cshrc return2 とすることで設定をシェルに反映させることができます.