26.1.9.1 アプレット

review_s26.1.1.1 Java開始で見てきたように, Javaでプログラムを実行するときには次の手順で行います.

  1. ソースコードの入力
  2. 前処理 (コンパイル)
  3. 実行

この前処理の後にできた生成物のことをクラスファイルと呼びます.

さて,あるコンピュータで作成したJavaのプログラムを他のコンピュータで 実行したいときには通常は,このクラスファイルの転送を行います.

ネットワークを介してデータをやりとりするには,送り出し側と受け取り側でそのためのソフトウェアを動かす必要があります.このソフトウェアとして,よく使われるウェブサーバとウェブブラウザとが使えれば,この仕組みが誰でも一般的に使えるようになります.Javaではこのために,アプレット(applet)と呼ばれる機構が考え出されました.そして,代表的なウェブブラウザは,Javaアプレットを動かす機能を備えています.

具体的な構成は以下の通りです.

  1. アプレットの Java プログラムを javac でコンパイルします. そのプログラムのクラスファイルができます.
  2. ウェブブラウザ用のファイルである HTML ファイルを用意し, その中で上記のクラスファイルを指定します.
  3. ウェブブラウザがこのHTMLファイルを読み込むと, その中で指定されているクラスファイルも読み込みます.
  4. ウェブブラウザが,このクラスファイルを実行します.

アプレットを受け取ったコンピュータ(B)は,アプレット(P)をどのように動かせばいいでしょうか.本来Bで作られたプログラムと全く同じに扱うのは,実はセキュリティという面から好ましくありません.送られてきたアプレットがBに悪影響を与えるかもしれません.そのアプレットを送り出している側(A)に悪い意図があって,Bのシステムが破壊されてしまうかもしれません.そこでアプレットの設計は,Bで動くアプレットがBの他の部分になるべく影響を与えないように,

ようになっています.