11.2.3 文献データベースの利用法

文献データベースの例として,約9000誌もの学術雑誌を対象とする"ISI Web of Knowledge"の利用法について簡単に説明します.学術界の標準言語は当然ながら英語ですので,最新の情報は英語の論文でしか手に入らないと言っても過言ではありません.したがって英語の文献検索は研究を進める上で必須の作業となります.ここでは例として"superconductor"(超伝導体)について書かれた最新の論文を調べます.

  1. 下の図がISI Web of Knowledgeのトップページです.
    [ISI Web of Knoledge のトップページ]
  2. まず中央の欄に検索するキーワードを入力します.欄の右にある「in TOPIC」というのは,論文の内容という意味です.他にも「PERSON」(著者名),「PLACE」(著者の所属や地域)などの検索項目があります.今回は "Superconductor" に関する文献が調べたいので,一番上の欄にSuperconductorと入力します.
    [検索単語の入力]
  3. また,複数の単語で検索することもできます.たとえば"Superconductor"に加えて"Shapiro step"という単語も含む論文を検索する場合は,2番目の欄にShapiro step入力し,右のin Titleの部分をin Topicに変えます.
    [複数の検索単語の入力]
    Web of Science では,Googleのように複数の単語をスペースを空けて入力してもAND検索にはならない点に注意して下さい("robot humanoid"と入力しても"humanoid robot"が含まれる文献は検索されません).入力された通りの熟語または文章がタイトルや要約に含まれる文献を検索します.AND検索やOR検索をしたい場合は,入力欄の左下にあるメニューを操作します.
  4. 以上で準備は完了です.「search」ボタンを押して検索を実行します.すると以下のように論文の題名と著者,掲載誌の一覧が表示されます.
    [検索結果]
  5. 題名をクリックすると,次の図のようにその論文の要約や著者の詳しい所属を読むことができます (要約が載っていない場合もあります).
    [論文の詳細]
    Abstractの上にある「References」はその論文が引用している文献の数を,「Times Cited」は逆にその論文が他の論文から引用された回数を表しています.いずれもその数が1以上の場合は,数字をクリックすると具体的な文献のリストが表示されます.つまり興味深い論文が一つ見つかれば,そこから芋づる式に関連のある文献を知ることができるわけです.また引用された回数の多い論文は,それだけ信頼できる論文と解釈することもできます.

こうして探し出した論文のより詳しい情報が必要なときは,電子ジャーナルや蔵書データベースを利用してその論文を入手します.次は電子ジャーナルの入手方法について説明します.