17.2.3.3 クラスライブラリ

Javaのプログラムをコンパイルしたものは,他の言語と比較すると大変に小さなものです.これが,ネットワーク経由で転送しやすくしている理由です.しかし,そのプログラムが実際にコンピュータ上で動くためには,入出力を始めとする様々な支援機能が必要です.Javaでは,この支援機能のためのプログラムを実行直前に用意します.つまり,これらのプログラムは,プログラムが実際に動くコンピュータの中に用意されている必要があります.

Javaでは,すべてのプログラムはクラス(class)という形で書かれるので,この支援機能のためのプログラム群はクラスライブラリ(class library)と呼ばれます.クラスライブラリには,入力,出力,画像制御といったものから,データ構造,GUI(graphical user interface),並行処理といったさまざまなものが用意されています.そしてこれらは,Javaが用意したクラス構造を使って全体として整合性をもって動くようになっています.

クラスライブラリの実体は,Javaのプログラムが実際に動くコンピュータ上に用意されている必要があります.それで,ネットワーク上でのJavaプログラムの様子は,ある一つのコンピュータ上でコンパイルされた中間言語プログラムが,ネットワークを飛び回り,そこここに用意されているクラスライブラリの助けを借りて実際の動作を行なう,といったものになります.