14.1. 情報の単位
コンピュータ内の情報は「ビット」を基礎に表現されています。
0
か1
の選択を ビット (bit; binary digit) と呼びます。
1bit で表現できるのは、実行・キャンセル、有無、真偽など、二者択一の状況のみですが、
複数bit組み合わせることでより豊かな情報を表現できます。
ビットとバイト #
コンピュータ内の情報は全て 0
, 1
の列で表されています。2 進数 1 桁で表される量を 1 ビット (省略形は b
) と言います。長さ
\(n\)
のビット列を使った表現を「
\(n\)
bit (ビット)」と言います。
\(n\)
bit で
\(2^n\)
通りの区別が可能です。
Byte
(バイト, 省略形は B
) は8 bit をまとめた単位です。
1 バイトで
\(2^8 = 256\)
通りの情報を表すことができます。
12. 文字による伝達
で学んだ ASCII の英数字など、256文字以内の
基本的な文字のみであれば、
1 文字 1 バイトで表現できます。
現時点のHWBでは、bit とビット、byte とバイトの表現を区別せず使っています。英字表記とカナ表記の選択に特別な意図はありません。
octet
octet
という単位も使われます。Byte
が8bitであることは慣習であるという立場もありうるためです。HWB では 1バイトは8ビットとします。
倍量単位と接頭語 #
大きな数を簡潔に表すために、k
(Kilo/キロ)、M
(Mega/メガ)、G
(Giga/ギガ)、T
(Tera/テラ) などの接頭語を付けた倍量単位が使われます。
通常の物理量を表す国際単位系でも、このような接頭語が使われます。例えば周波数の単位である Hz では、次のような関係にあります。
Hz | 短縮表記 | 一つ前の単位との関係 |
---|---|---|
\(10^3\) Hz | 1 kHz | 1000 Hz |
\(10^6\) Hz | 1 MHz | 1000 kHz |
\(10^9\) Hz | 1 GHz | 1000 MHz |
\(10^{12}\) Hz | 1 THz | 1000 GHz |
ビット/バイトなど情報量に関しては k
,M
,G
,… に加えて、
KiB
(キビバイト), MiB
(メビバイト), GiB
(ギビバイト), TiB
(テビバイト),… と言った単位も併用されます。
これは 1000 の代わりに
\(2^{10} = 1024\)
を利用します。
1000と1024が近いことから、
2の冪乗で区切りつつ10進での概算もある程度容易です。
B |
短縮表記 | 一つ前の単位との関係 |
---|---|---|
1024 B \(=2^{10}\) B | 1 KiB | 1024 B |
1048576 B \(=2^{20}\) B | 1 MiB | 1024 KiB |
1073741824 B \(=2^{30}\) B | 1 GiB | 1024 MiB |
通信速度の単位 #
通信帯域幅 は単位時間当たりに通信できるデータ量で、bps (bits per second) で表現します。1 bpsなら、1 秒間に 1 ビットだけデータを転送できます。bps
も接頭語を付けて倍量単位が用いられます。たとえば、過去のアナログモデムであれば 56 kbps、ISDN 回線であれば 64 kbps でした。
2023年現在 イーサネットLAN は 1Gbps、無線LANは数百MBps 程度の規格が広く使われています。
帯域幅はおおむね、自動車道路が車線数のように道が広いほど同時に沢山の車が走れることと対応します。 帯域幅が大きいほど、大きなデータの転送も短い時間で終わらせられます。
ある地点を出発した車が、何分で目的地に到着するかは別の概念です。こちらは latency と呼ばれます。