15.1. ホスト名とドメイン名
ホスト名 と ドメイン名 は、インターネットの通信対象を特定するための名前で、人とコンピュータの両方が使います。 人に理解可能かつコンピュータにも扱えるように、シンプルな命名規則を持ちます。
人は、ドメイン名を後ろから読むことで、どの組織のサーバかをおおむね把握することができます。 コンピュータも規則に従って解釈して、自動通信を行うことができます。
ドメイン名 #
インターネット上での、サーバや組織の名称をドメイン名と言います。 メールアドレスや、URL でドメイン名が使われることをこれまで紹介しました。
\( \texttt{http://}\underbrace{\texttt{hwb.ecc.u-tokyo.ac.jp}}_{\text{ドメイン名}}\texttt{/hwb2023/}\\ \texttt{username@}\underbrace{\texttt{g.ecc.u-tokyo.ac.jp}}_{\text{ドメイン名}} \)ドメイン名は . で区切られた階層構造をなします。
英語の住所表記の習慣と同じで、後ろにある方が大きなカテゴリです。
ecc.u-tokyo.ac.jp は数の右下の黒丸のルートから、jp, ac, .. と順に分岐を選択肢て到達する一番上の領域に相当します。
jp は日本、ac.jp は教育・研究機関、u-tokyo.ac.jp は東京大学のドメイン名です。
stateDiagram-v2
direction RL
state "u-tokyo.ac.jp" as utokyo
state "kyoto-u.ac.jp" as kyotou
state "ecc.u-tokyo.ac.jp" as ecc
state "c.u-tokyo.ac.jp" as c
state "adm.u-tokyo.ac.jp" as adm
state "hwb.ecc.u-tokyo.ac.jp" as hwb
state "g.ecc.u-tokyo.ac.jp" as gecc
[*] --> jp : jp
[*] --> com
[*] --> edu
jp --> ac.jp : ac
jp --> co.jp
jp --> go.jp
ac.jp --> utokyo : u-tokyo
ac.jp --> kyotou
ac.jp --> ouj.ac.jp
utokyo --> ecc : ecc
utokyo --> c
utokyo --> adm
ecc --> hwb : hwb
ecc --> gecc : g
逆方向から切り出した、hwb.ecc などはドメイン名ではありません。
ホスト名 #
インターネット通信を行うコンピュータ (特にサーバ) は、自身の名前を上記のドメイン名の形式で持ちます。 これは国名から記した厳密な住所氏名に相当するもので、FQDN (fully qualified domain name) とも言います。 また省略記法として、ピリオドで分割した先頭部分の、短い名前を持ちます。 これは、ファイル名とパスの関係と似て、小さなグループの中で名前だけで相手を特定することと対応します。
今自分が使っているコンピュータの名前も、ターミナルから hostname コマンドで調べることができます。-sは短い名前を調べるオプションです。-f が長い名前です。
hostname -f
ci133001m.ecc.u-tokyo.ac.jp
hostname -s
ci133001m実際には、ECCSの教室のiMac端末に外部から通信することはできません。同じ仕組みを使う例として紹介しています。