22.3.9. アウトライン機能による章番号と目次の自動制御
Word のアウトライン機能と呼ばれる一連の機能を上手く使うと、文書の章番号を振ったり目次作ったりという操作を、自動で行えます。長い文書を作成するときは、この機能を積極的に活用しましょう。
章番号の自動生成 #
長い文書になると、本文が「第 1 章」や「第 2 章第 3 節」のように章や節などで区切られます。ここで登場する「章」や「節」といった大域的な構造のことを、Word ではアウトラインと呼んでいます。そして
- 「見出し 1」などのスタイルに、アウトラインを設定し
- アウトラインの設定されたスタイルを、文書中に適用する
というステップを経ることで、自動的に章や節の番号が振られるようになります。
まず具体例を見てみましょう。次のような文書を打ってみます。このタイトル部分は「表題」のスタイルを適用しておいてください。
この文書の続きに
- 第 1 章 ワープロソフトについて
- 第 1 節 前史: タイプライターの時代
と書き足してみましょう。ただし、章番号と節番号は自動でつけます。
まずは、3 つ並んだ箇条書きボタンの一番右をクリックします。
このメニューの中に「新しいアウトラインの定義」という項目があるので、これをクリックしてください。すると「アウトライン番号の書式設定」というダイアログが立ち上がります。この画面で、まずは「章」に対応するアウトラインを作りましょう。
もし「レベルと対応付ける見出しスタイル」の設定項目が隠れていたら、画面左下にある下向きの > ボタンを押して、詳しい設定項目を表示してください。
ここでは一番大きい題目を「章」にしてみます。左上の「レベル」が 1 になっていることを確認した上で、スタイルに対してアウトラインを連携させるため、「レベルと対応付ける見出しスタイル」を「見出し 1 」に設定します。
続いて「番号形式」の欄を見ます。最初はグレーの網掛けで「1」と書かれているだけですが、これを「第 1 章」にしてください。
こうすると章を作るたびに「第 1 章」の網掛けの 1 が 2, 3, … と自動で増えるようになります。また「番号書式」の欄の右にある「フォント」ボタンを押すと、自動で振られる番号の箇所の書式を設定できます。好みに応じて使ってください。
今度は「レベル」を 2 にします。
今度は「番号書式」が網掛けで「1.1」のように表示され、数字が 2 つ並びます。これらはそれぞれ、章と節の番号を表しています。この左の網掛け数字を消してしまえば、節見出しには章番号が表示されなくなります。今回はここを何もいじらずに、レベルと「見出し 2」のスタイルを対応付けてみましょう。
以上の設定を行った上で「OK」ボタンを押し、ダイアログを閉じます。この段階で、カーソルのある段落のスタイルが変更されてしまったら、元々のスタイルに戻しましょう。そして文書を改段落し、「ワープロソフトについて」と書き進めてください。
ここで、第 1 章になるべき「ワープロソフトについて」の段落にカーソルを合わせて「見出し 1」のスタイルを適用すると、自動的に「第 1 章」と挿入されます。
この章番号は自動で更新されます。たとえば改段落をして「Microsoft Word とは」と打ち込んでみます。
この段落に「見出し 1」のスタイルを適用すると、自動で「第 2 章」になります。
さらに、第 1 章の直後に「前史: タイプライターの時代」と書き、ここにカーソルを合わせます。
「見出し 2」のスタイルを適用すると、「1.1」という番号が振られます。
このように、章番号は自動で振れるのです。手動で振るのはやめましょう。
アウトラインレベルは、複数定義することができます。複数のアウトラインを使うと、「アウトライン番号」の連携のさせ方を変えられます。
たとえば本を書いていて、本編の章立てが「部」「章」「節」の 3 階層になっていたとしましょう。このとき
- 1 つ目のアウトラインで、レベル 1 のアウトラインを「部」に設定し、「見出し 1 」のスタイルと関連づける
- これとは別に、2 つ目のアウトラインでレベル 2 とレベル 3 のアウトラインをそれぞれ「章」「節」に設定し、それぞれ「見出し 2」「見出し 3」のスタイルに関連付ける
という操作をすると、2 つのアウトラインの番号は連携せず、独立したものになります。ですから「第 1 部」と「第 2 部」を通して一貫した章番号が設定できるようになるのです。
この「1 つのアウトラインレベルが、1 つの番号設定ルールに対応する」という事実は、他にも「コラムだけの番号を作る」など様々な使いようがあります。実験してみてください。
目次の自動生成 #
さて、アウトライン機能を使って文書を作っていると、目次の自動生成ができます。
この状態で目次を挿入したい箇所にマウスカーソルを合わせ、そしてリボン中の「参照設定」タブの中にある「目次自動作成」のボタンを押します。
すると、目次のスタイル一覧が表示されます。
目次のスタイルを選択してクリックするとこのように、章、節に応じた目次が自動で挿入されました。
このように、文書構造に応じて適切に「見出し 1」「見出し 2 」といったスタイルにアウトラインをきちんと対応させておくと、その構造を Word が適切に認識してくれるようになります。ただし文書作成の途中で章立てを変更した場合、目次には変更が自動で反映されません。章立てが変わったときは、「目次」ボタンの右にある「目次の更新」ボタンを押してください。
また、目次一覧メニューの一番下には「ユーザー設定の目次」という項目があります。
ここで
- 何段階目までを目次にするか
- 目次の字のスタイルをどうするか
を設定することができます。たとえば、一番上位の階層の目次は「目次 1」のスタイル、その次の階層の目次は「目次 2」のスタイルでコントロールされます。これらを設定することで、状況に応じて目次の見た目を整えることができます。