org-mode

31.3.4. org-mode

Emacs を使う利点の一つは、org-modeで情報の整理ができることです。 Markdown ( 14.3. 文書の符号化 ) と似た簡潔な記法で、文書を木構造で管理し、他の文書にリンクを張り、 LaTeX 記法での数式の埋め込みを簡単に行うことができます。

情報や数学に関連する授業のノートをとることにも便利かもしれません。

org-mode を使う #

拡張子 .org を持つファイルを開きます。

  • ダウンロードするか sample
  • ECCSのiMac環境なら /home/hwb/exercise/emacs/sample.org を開いてください。

すると自動で org-mode となります。

ここでは箇条書きのアイテムの移動や表示範囲の制御、番号の自動割り振りなど、直感的な操作が提供されています。 ここに特に書いていないEmacsの基本的な編集操作は、だいたいメニューから項目を選べば良いはずです。

箇条書きの操作 #

サンプルファイルに書かれているように、直感的な操作で、アイテムを操作できます。 文中の Alt-Return (Enter) は、 キーを押し続けたまま を押して放す、 もしくは ESC キーを押して放してから を押す意味です。C-x は、Control キーを押し続けたまま x を押して放す、つまり x 意味です。

番号付きの箇条書きも同様で、必要に応じて自動で番号は振り直されます。

見出しの移動と折りたたみ #

タブキー で折りたたみと展開を制御します。見出しに含まれる内容全体を、まとめて移動することもできます。

c l で移動先を記憶して、 c l でハイパーリンクを挿入します。 挿入後、ハイパーリンク上で o でリンク先のファイルに移動し、 c & で元の位置に戻ります。リンクを張る際の移動先は、見出しの行を選ぶようにすると見やすいです。

内容毎に別々のファイルにメモを書く場合は、目次ファイルを作ってそこからジャンプできるようにすると便利です。

数式の埋め込み #

LaTeX 記法で数式を記述することができます。 c x l で latex のソースコード表記と画像を切り替えられます。 $ で囲んだり \begin{align*}\end{align*} で囲むを使うのがお勧めです。

この LaTeX の機能を使うためには、少しだけ設定が必要な場合があります。
LaTeXとの連携の設定

ECCSでは org-mode とLaTeXの連携の設定のみ必要です。

以下 M-x は オプション (mac以外では Alt) キーを押し続けたままxを押して放す表記です。

  • Emacsで 拡張子 org のファイルを開いた後、 M-x customize-variable Return org-preview-latex-process-alist Return として下記のスクリーンショットのように設定画面を表示します

  • latex-compilerの欄を探し latex の前に /Library/TeX/texbin/を入力して、 /Library/TeX/texbin/latex となるようにします

  • image-converterも同様に、dvipng の前に同じ文字列を追加します

  • 最後に設定画面の下部の State をマウスでクリックして Save for Future Sessions を選択することで、設定を保存します

LaTeXに慣れている人は、よく使う設定を追加すると便利です

  • 利用パッケージの指定(\usepackage{}相当):
    • M-x customize-variable Return org-latex-default-packages-alist Return
    • 筆者は、mathtools, physics, bm, setなどを入れています
  • LaTeXマクロの定義:
    • M-x customize-variable Return org-format-latex-header Return
編集操作 org-mode 文字エンコーディング