17.1. コンピュータの基本的構成
まずはコンピュータの基本的な構成を説明します。コンピュータの中にはとても複雑な回路が入っていますが、大まかには次の図のような構成になっています。
では、それぞれの部位の機能を見ていきましょう。
CPU: CPU は正式には中央演算装置 (Central Processing Unit) といいます。CPU はコンピュータの「頭脳」にあたるもっとも重要なパーツで、コンピュータの計算のかなりの部分を担っています。
メインメモリ: CPU が計算する際に用いられる記憶領域をメインメモリといいます。CPU が計算をするためのデータやプログラムはメインメモリに一度保存され、必要に応じて読み出されるようになっています。
チップセット: チップセットは CPU, メインメモリのペアと入出力デバイス、外部拡張端子の間に入るパーツで、入力データを CPU に渡したり、逆に CPU の命令を出力デバイスに渡す機能を持ちます。
長期記憶装置: メインメモリはコンピュータの電源がついている間しか情報を記憶できず、電源を切ると同時に情報を失ってしまいます。また通常のコンピュータに搭載されるメインメモリでは大容量のデータを記憶することができません。そのためコンピュータにはメインメモリとは別に、大容量のデータを電源が切れていても保存できる装置がついています。市販のコンピュータでは、ハードディスクドライブ (HDD) やソリッドステートドライブ (SSD) がこれらの機能を担っています。
入力デバイス: 入力デバイスは、私たち人間がコンピュータに指令を与えるための装置のことです。上の図では例としてマウスが挙げられていますが、キーボードも典型的な入力デバイスの例で、多くのコンピュータについています。また iPad や Android tablet などのタブレットデバイスやスマートフォンでは画面をタッチして操作するようになっているので、画面そのものが入力デバイスも兼ねています。
出力デバイス: 出力デバイスは、コンピュータが何らかの計算をした結果を私たちに伝えるための装置です。たとえばディスプレイやスピーカは典型的な出力デバイスの例です。
その他の周辺機器: 上で説明した装置はどのようなコンピュータにも必ず含まれています。しかしコンピュータによってはこれ以外の装置を使うこともあります。たとえばコンピュータでテレビを録画するには、テレビ放送を受信するための装置を積む必要があります。そのためコンピュータには、色々な機能を持った外部装置を取り付けるための仕組みがついています。たとえば USB ポートや IEEE1394 ポートは、コンピュータの外部に機器を接続するための装置です。また図中にある PCI Express ポートは、デスクトップコンピュータの内部に機器を増設するための装置です。
次節以降では、これらの各パーツの機能を少し詳しく解説します。