17.8.2. オーディオインターフェース
コンピュータに音声の入出力をするためのインターフェースやデバイスを紹介します。
インターフェース #
音声自体はアナログなデータですが、それがコンピュータに保存されるときはデジタルデータになります。したがって音声データをスピーカなどの出力装置に転送する際は「コンピュータでデータをアナログ化して送る」「デジタルデータのまま送って出力装置の側でデジタル化する」という 2 通りのやり方があります。それに応じてオーディオインターフェースもデジタル / アナログの 2 種類に大別されます。
3.5mm ステレオミニジャック #
普通のイヤホンなどに使われている細長い一本棒のプラグが 3.5mm ステレオミニジャックです。アナログでデータを転送します。小さいことがウリなので、ポータブルなオーディオ機器を中心に用いられています。
RCA #
金属のピンをリングで覆った形をしているケーブルです。アナログでデータを転送します。映像の転送にも同じタイプのケーブルを使うことができたので、アナログ全盛期にはテレビとビデオデッキなどを接続するのによく使われました。最近ではあまり見かけなくなってきています。
S/PDIF #
デジタルで音声データを送るためのインターフェースです。一定以上の音質を追求する高級なスピーカーや DVD プレーヤーなどに使われています。S/PDIF のケーブルには光ファイバーケーブルと同軸ケーブルの 2 種類がありますが、データを転送するものが光か導線かだけの違いで、ケーブルを通って送られるデータは全く同じです。
デバイス #
続いて、音声を入出力するためのデバイスを紹介します。
スピーカー #
言わずと知れた、音を出力するための機器です。中に振動する板が入っていて、入力されたデータに基づいて板を振動させることによって音を出します。
スピーカーは 1 個または 2 個で用いられる場合が多く、1 個で用いるものをモノラル、2 個で用いるものをステレオと言います。また映画鑑賞などの用途では臨場感を得るため、5 個以上のスピーカーを使うことがあります。Dolby の 5.1ch サラウンドシステムでは自分の席から見て前方正面、前方左右に 1 つずつと後方左右に 1 つずつの計 5 個のスピーカーを置き、さらに低音の出力を補うためのウーファーと呼ばれる特別なスピーカーを加えた 6 個体制で音を出します。
イヤホン / ヘッドフォン #
スピーカーを小さくして耳に装着できるようにし、一人で音を楽しむように作られたのがイヤホンとヘッドフォンです。直接耳に向かって音を出力するため回りの音を遮断でき、より純粋に音声を楽しめます。大抵のものはステレオスピーカーに準ずる機能を持ちますが、中には 5.1ch スピーカーに相当する機能を持つものもあります。
マイク #
発せられた音をデータに変換する装置がマイクです。単純なものはモノラルでしか音声を拾いませんが、高級なものになるとステレオで音声を拾ったり、あるいは指向性を持って特定の方向の音だけを拾うことができます。
ちなみに、マイクは原理的にはスピーカーと同じ構造をしています。そのため、スピーカーをマイク端子に繋ぐとマイクとして使えたりします。