17.8.3. ネットワークインターフェース
最近はコンピュータをそれ単独で使うことはまずなく、インターネットを始めとするネットワークに接続することが当たり前になっています。ここでは、コンピュータをネットワークに繋ぐためのインターフェースについて紹介します。
イーサネット (有線 LAN) #
いわゆる「有線 LAN 接続」に用いる規格です。細かく見ると何種類かの規格がありますが、どの規格のイーサネットでも必ず RJ-45 という、固定電話のモジュラージャックをちょっと大きくした感じのコネクタを使います。
2013 年現在、市場に出回ってるコンピュータ等はほとんど全て 1000BASE-T という規格に対応し、毎秒 1Gbit のデータを転送することができます。2013 年になって毎秒 2Gbit の転送速度を持つ家庭用のインターネット回線が登場しましたが、それでも大半の過程用回線は毎秒 200Mbit 程度の通信速度なので、家庭内のイーサネットは当分 1000BASE-T で事足りるでしょう。またイーサネットケーブル (あるいは LAN ケーブル) はその性能に応じて「カテゴリ」と呼ばれる数字が割り当てられます。1000BASE-T 規格の通信をするにはカテゴリ 5e 以上が必要ですが、カテゴリ 5e 未満のものはほとんど市販されていないので、深く気にしなくても問題は無いでしょう。
IEEE802.11a/b/g/n/ac (無線 LAN) #
いわゆる「無線 LAN 接続」のためのものです。世の中には無線 LAN 製品が数多く出回っていますが、その規格の正式名称は IEEE802.11 の後ろに a/b/g/n/ac のいずれかを付けたものです。一番最初に実用化されたのが 802.11b で、その後 a, g, n の順に規格が策定され、使われるようになりました。802.11ac は最も新しい規格で、2013 年に入って対応製品が登場しました。無線 LAN ルータとコンピュータを接続する際は当然両者が使う規格を合わせなければいけませんが、大抵の機器は a/b/g/n の複数に対応しており、コンピュータが自動で適切な規格を選んでくれます。
また無線 LAN というと “Wi-Fi” というキーワードが有名ですが、これは Wi-Fi Alliance という団体が認証する、製品の互換性に関するお墨付きのことです。Wi-Fi マークの付いている機器同士は事前に厳正なテストを受けているので、違うメーカーの製品同士であってもトラブルなく繋ぐことができます。
その他の無線ネットワーク #
最近ではインターネットに接続する方法の選択肢の一つに WiMAX があります。これは無線 LAN とは別の規格で、無線 LAN とは異なる周波数帯の電波を用い、コンピュータと通信事業者の回線を接続するために用いられます。
またタブレットデバイスやスマートフォン向け LTE という規格が登場しました。LTE はコンピュータ用ではなく携帯電話用の規格で、携帯端末と通信事業者の回線を接続するためのものです。