レガシーな規格

17.9. レガシーな規格

コンピュータの世界は日進月歩で、ある時期に使われていた技術が少ししたら使われなくなるという現象がしょっちゅう起こります。そのようにして使われなくなった装置や規格に対しては「レガシー」という形容詞が用いらるようになります。

この節では、少し前まで使われていたレガシーなデバイス / インターフェースをまとめて紹介します。

レガシーデバイス #

フロッピーなど #

フロッピーディスクは、正方形状のケースに入った磁気ディスクにデータを記録するメディアです。一番最初は一辺が 8 インチの大きさでしたが、それが 5 インチに縮まり、最終的には 3.5 インチサイズのものが普及しました。1 枚あたりのデータの記憶容量は 1.44MB です。

1990 年代頃まではコンピュータで大量のデータを取り扱うことは難しく、データの保管にはフロッピーディスクで事足りていました。しかしコンピュータが音声や動画などのマルチメディアデータを扱うようになるとフロッピーディスクでは役不足になります。さらに 1 枚あたり 650MB も保存できる CD-R ディスクが安い価格で普及するようになり、その後も書き換え可能な CD-RW ディスクや USB メモリが次々登場したことで、完全に一般向けの役目を終えました。

なお、フロッピーの亜種として ZIP ディスクや SuperDisk といった規格もありましたが、これらもフロッピーと同様に廃れてしまいました。

MO #

MO (Magnet-Optical) ディスクはレーザーと磁場を用いてデータを記録するディスクです。光ディスクが純粋に光学しか用いないのに対し、MO は磁気を用います。

MO ディスクは物によっては 2GB を超える容量を記録できるものもありましたが、そもそも MO ドライブ自体が CD / DVD ドライブほど普及しなかったことと USB メモリの大容量化・低価格化の影響で、今では一般家庭で用いられることはほぼないでしょう。しかし MO ディスクは他のメディアに比べて壊れにくいという特性があり、今でも業務用データのバックアップ先として使われています。

レガシーインターフェース #

PS/2 #

キーボードやマウスを繋ぐための、丸形の端子を持ったインターフェースです。USB の登場と共に役目を終えました。

シリアルポート (RS-232C) #

コンピュータをモデムなどの外部機器に繋ぐために用いられていたインターフェースです。これも USB の登場と共にほとんど姿を消しました。ただし仕組みが原始的な分シリアルポートを用いた通信プログラムは書きやすく、電子工作の場面などでは今も現役で活躍しています。

パラレルポート (IEEE 1284) #

USB が登場する以前に、主にプリンタや ZIP ドライブを接続するために用いられたインターフェースです。これもまた USB に取って変わられたので、今では一般家庭で見かけることはまず無いでしょう。

IEEE1394 #

IEEE1394 は USB 同様、様々な機器を接続するためのインターフェースの一つです。Apple が FireWire という名称で提唱し、その後 IEEE により標準化されました。ソニーによる i.Link という呼称や DV 端子という呼称もありました。

かつて iPod とパソコンの接続に用いられたほか、デジタルビデオカメラなどの AV 機器とコンピュータの通信にも使われていました。IEEE1394 接続に対応した外付けハードディスクなども一部存在しました。

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