20.3.2. コンピュータウイルス
この節では、コンピュータウイルスとウイルス対策について述べます。
コンピュータウイルスとは? #
次の条件を満たすプログラムを、コンピュータウイルスといいます。
- ユーザーの意図に反してインストールされる。
- 感染したコンピュータに何らかの被害を与える。
- 自己増殖機能を持ち、感染したマシンから他のマシンへと広がろうとする。
感染による症状はウイルスによってまちまちです。たとえば感染したコンピュータを破壊することもあるし、データを盗み出すこともあります。また、別のサイバー犯罪をするためにウイルスがばらまかれることもあります。2012 年から 2013 年にかけては、ウイルスに感染したマシンが踏み台にされてウェブサイト
2 ちゃんねるに犯罪予告が書き込まれ、真犯人ではなくウイルスに感染したユーザが誤認逮捕される事態に発展しました。感染すると大変困ったことになるので、しっかり対策を立てましょう。
ウイルス対策の方法 #
ウイルスの感染からコンピュータを守る手法をいくつか挙げます。どれも基本的なことですし、他のサイバー犯罪への対策と共通する部分が多いですから、ぜひ実践してください。
まずはウイルス対策ソフトを必ずインストールしましょう。: ECCS の Mac 環境には Sophos Anti-Virus がインストールされています。巷ではウイルス対策ソフトがたくさん販売されていますが、
Microsoft Security Essentials や
avast をはじめとする無料のウイルス対策ソフトもあります。お金をケチるかどうかは各自の判断にゆだねますが、たとえケチってもウイルス対策ソフトは手に入ります。何かしらインストールしておきましょう。
パターンファイルを最新のものに保ちましょう。: パターンファイルとは、ウイルス対策ソフトがウイルスを検出するためのファイルのことです。たとえウイルス対策ソフトがインストールされていても、パターンファイルが古いままでは新しいウイルスを検出できません。普通はウイルス対策ソフトが自動的にパターンファイルの更新をしてくれるはずです。自動更新の機能は切らないようにしましょう。
ウェブブラウザや OS を最新の状態に保ちましょう。: ウイルスはブラウザや OS の欠陥を確実に突いてきます。これらのソフトウェアのアップデートは、通常は自動で行われるはずです。自動更新が行われるように設定をし、また自分で最新版でないことに気づいたときはすぐにアップデートをしましょう。
少しでも怪しいと思ったリンクやファイルを開かないようにしましょう。: たとえ友人から送られて来たものであっても、友人の意図に反してウイルスがばらまいている可能性があります。また、アイコンがフォルダの形になっていてユーザーを騙そうとするウイルスもあります。見覚えのないファイルは開いてはいけません。
ウイルス対策がされているか怪しいコンピュータには、自分の USB メモリを挿さないようにしましょう。: ウイルスの中には USB メモリを介して感染するものもあります。特に不特定多数の人が使うコンピュータには要注意です。また、床に落ちている USB メモリを拾う行為も危険です。誰かがウイルスをばらまくため意図的に落とす可能性があるからです。