19.2.1. 文献情報の集め方
この節ではインターネットを使った文献情報の集め方について簡単に解説します。
今のようにインターネットが発達していなかった時代は文献を探すことが非常に困難であり、文献収集自体が調査・研究の重要な部分をなしていました。しかし現在では、誰でも簡単に優れたオンラインデータベースを利用し、必要な文献を素早く見つけ出すことができるようになりました。ぜひとも使い方を覚えましょう。
文献データベースと蔵書データベース #
ネットワークを介して利用するデータベースをオンラインデータベースと呼びます。東京大学では文献を探すために様々なオンラインデータベースが利用できます。オンラインデータベースには、大きく分けて文献データベースと蔵書データベースの 2 種類があります。
文献データベースは自分の求める情報が含まれている文献を探す際に用います。つまり「こんな情報が欲しい」という要求に対して、「こういう文献があります」という返事を返してくれるものです。一方蔵書データベースは、文献の名称などが既知の場合に所蔵している場所 (主に図書館) を探す際に用います。つまり「この文献を見たい」という要求に対して、「ここに行けばありますよ」という返事を返してくれるものです。
電子ジャーナル #
近年では多くの学術雑誌が、従来の紙媒体だけでなく、インターネットを介してファイル (デジタルデータ) として購読できるようになりました。コンピュータ上で読むことができる学術雑誌を電子ジャーナルまたはオンラインジャーナルと呼びます。
論文のデジタル化は近年になって始まったため、古い論文は電子ジャーナルでは手に入らないなどの難点はあります。しかし図書館に足を運ぶことなくオンラインで必要な論文を手に入れることができるため、その利便性は言うに及びません。専門家として研究や学習を進めるにあたっては、電子ジャーナルは必要不可欠な情報源であり、その利用法の修得は最低限の素養と言っても良い状況にあります。
文献検索の流れ #
以上をまとめると、文献検索のおおまかな流れは次のようになります。
- 文献データベースで欲しい情報が掲載された文献を探し出し、書名や掲載号を把握する。
- その文献が学術雑誌であればオンラインジャーナルで手に入るか確認する。
- その文献が書籍、またはオンラインで手に入らない雑誌であれば、蔵書データベースを利用して文献の所在を確認する。
次節以降で各ステップの説明をします。