20.1.3.1. 電子メールの基礎知識
電子メールとはなにかについて、簡単に説明します。
電子メールとは、インターネットなどのコンピュータネットワークを使ったメッセージ交換システムです。ECCS 以外の場所で、すでに使ったことがある人もいると思います。電子メールシステムにおいて、やりとりされる一通一通を指して、メッセージあるいはメールメッセージと呼びます。メッセージには、本文に加えて、宛先などの情報が含まれます。
メールアドレス #
手紙を送るとき相手先の住所を書くように、電子メールを送るときも住所にあたるものを書く必要があります。この「住所」に相当するものをメールアドレスといいます。メールアドレスは一般に
のように、@(アットマーク)で二つの文字列を挟んだ形をしています。@の前の部分をローカルパート、後ろの部分をドメインといいます。
ドメインについては 15.1. ホスト名とドメイン名 の章で詳しく触れますが、ここでは単にメールを受信してくれるコンピュータの名前と思って構いません。ドメイン名に関する決まりごとについてはここでは割愛しますが、大学や企業などの団体がドメイン名を持つときは、普通ドメイン名にその団体の名前を含めます。たとえばドメインに u-tokyo.ac.jp という文字列があれば、そのメールアドレスが東京大学に関係していることが分かります。教育用計算機システムのメールアドレスのドメインは g.ecc.u-tokyo.ac.jp ( ECCS クラウドメール)または mail.ecc.u-tokyo.ac.jp ( ECCS 教職員メール・ ECCS 2012 以前のメール)です。
ローカルパートは通常、電子メールのアカウント名が入ります。ECCS クラウドメールにおいては、ローカルパートを各自で変更することができます。
また、当然ながら宛先の住所が一意に定まる必要があるため、メールアドレスは一意に定まるようになっています。インターネットに接続された二つのコンピュータが同時に同じドメインを持たないように、また一つのコンピュータに同じ名前のアカウントが二つ存在することがないように、ドメインとアカウントは設計されています。よって、ECCS クラウドメールでも、ローカルパートは他人のローカルパートと重複しない範囲でしか指定できないようになっています。
メールサーバ #
メールサーバとは、メールの送受信のサービスを提供してくれるコンピュータのことです。メールサーバは送信メールサーバと受信メールサーバに分かれているのが普通で、ECCS クラウドメールの場合、受信メールサーバは imap.gmail.com (または pop.gmail.com )、送信メールサーバは smtp.gmail.com という名前のコンピュータです。
自分宛のメッセージが到着すると、まず自分のアドレスに対応するメールサーバにメッセージがたまります。それを自分の使っているコンピュータで読むためには、受信用メールサーバにアクセスして、読むことになります。さらにメッセージを送信するときには送信用メールサーバにアクセスしてメッセージを送信します。
メールクライアント #
メールサーバにアクセスしてメッセージを送受信する作業を行うソフトウェアがメールクライアントです。通常はメールクライアントは送受信機能に加えてメッセージを読み書きするためのユーザインターフェースを備えます。メールクライアントのことを、メールソフトだとかメールアプリケーションだとか、メーラ、メールリーダなどともいいます。例えば、Mac OS X や Windows 10 には「メール」というソフトウェアが付属していますが、これもメールクライアントです。