電子メールのエチケット

20.1.2. 電子メールのエチケット

電子メールをやりとりする際に注意すべき事をまとめました。以下の注意事項に一度は目をとおしてください。なお、ネットワークのセキュリティに関しては 20.3. セキュリティ を参照してください。

メッセージ作成時の注意 #

相手先のメールアドレスが正しいかどうか確認しましょう。: メールアドレスを 1 文字でも間違えると、メールが届かないどころか赤の他人に間違ってメールを送ってしまう可能性すらあります。仮に他人に届いてしまうと、エラーメッセージが帰って来ないので送信ミスに気づきにくく、大変厄介です。

メッセージには適切な件名をつけましょう。: メッセージに件名がなかったり、あるいは意図がわからないものであった場合、スパム対策のため相手に読まれない可能性もあります。

メールを送るときは身元をきちんと名乗りましょう。: たとえば携帯電話に「アドレス変更しました。登録よろしくお願いします。」とだけ書かれたメールが届いても、誰のアドレスが変わったのか分かりませんよね。ですから、メール中には必ず自分の身元(名前、所属、学生証番号など)を相手が理解できるように書いてください。署名を使うのも効果的です。

不必要に HTML 形式のメールを送るのはやめましょう。: メールクライアントによっては HTML メール(文字の装飾などができるメール)を作れます。しかし受け取る側が対応していなければメールは正しく受信されません。また、携帯電話の絵文字などの特別な記号も正しく読まれない可能性があります。

メッセージの文面の編集ができたところでよく見直しましょう。: 文章を切ったりつなげたりすると、文の構成がおかしくなることもあります。もう一度、新たな気持ちで見直してみましょう。意図が相手に正しく伝わるでしょうか。その文面をどのように解釈可能か考えてみましょう。

送られて来たメッセージへの返事を書くときは、相手の文章の無駄な引用は避けましょう。: 不必要にメッセージが長いと読みづらくなります。返事を書くのに必要最小限な部分だけ引用しましょう。

BCC を適切に用いましょう。: メールアドレスは個人情報ですので、本人の同意なく勝手に広めてはいけません。たとえば新歓期に新入生に対してメールを送る場合、新入生同士は知り合いでないのが普通ですから注意が必要です。複数の人にメールを同時に送る場合、受け取る人同士が知り合いでなければ BCC を使ってください。

添付ファイルを送るときの注意 #

ファイルの添付は便利な機能ですが、以下のことには気をつけてください。

添付ファイルのサイズに注意しましょう。: 通常メールボックスの容量は決まっており、容量を超える分のメールは受信できません。あまりにサイズの大きなファイルを添付すると、受け取った人のメールボックスがあふれてしまうことがありますので注意してください。ちなみに ECCS クラウドメールでは、合計の容量には制限がありませんが、1 通あたり(添付ファイルも含め) 25 MBまでのメールしか送受信できません。これを超える容量のファイルを送信したい場合は Google ドライブを利用するとよいでしょう。

たとえファイルを送ることだけが目的であっても、本文はつけましょう。: メールメッセージの中には有害なコンピュータウイルスが添付されているものも多くあります。メールメッセージの受信者は添付ファイルの中身を開いてみるまで知ることができません。そこで、本文に何も記述なく添付ファイルだけをつけるのではなく、メッセージ本文に添付ファイルをつけた旨、その内容の概要などを付け加えておくとよいでしょう。

添付ファイルとして送ったファイルを、受け取った人が開けるかどうか確認しましょう。: 相手が自分と同じ環境でない場合は、自分が開くことのできるファイルでも、相手には読めない可能性があります。たとえば Microsoft Excel 形式など、特定のアプリケーションでしか開けないファイルは、相手にもそのファイルを扱える環境があるかどうかを考慮して送りましょう。Mac OS X の Apple Mail から、Windows を使っている人にファイルを送る場合には、編集添付ファイルWindows対応の添付ファイルを送信 にチェックを入れておくと有効な場合があります。

メッセージ送信時の注意 #

電子メールの不確実性に気をつけましょう。: 電子メールは、実世界の郵便に例えれば「書留」ではなく「通常郵便」です。サーバの不調などさまざまな理由で宛先に届かなかったり、届いても読まれないことがあります。逆に自分がメールを受信した時は、受信できた事を送り主に知らせてあげると良いでしょう。またメールを送るとき宛先の欄に自分のアドレスを追加しておくと、送信が成功した時点で自分の手元にメールのコピーが届きます。

メールサーバから自動返信されるメールを見逃さないようにしましょう。: アドレスを間違えるなどしてメールが送れなかった場合、メールサーバが自動で「メールが送れませんでした」というメールをあなたのアドレスに送ってくれます。通常このようなメールは差出人が Mailer Daemon や Postmaster となっており、本文には送信できなかった理由が書いてあります(読み方は下の「エラーメッセージの読み方」を参照)。メッセージを読んで、もう一度メールを送り直しましょう。

電子メールは遅延することがあります。: 電子メールは瞬時に配送されるものだと思いがちですが、実際にはサーバの処理の都合で遅れることがあります。メールが届かないときはせかせかせず、少し待ってみてください。

メール受信時の注意 #

見知らぬ相手からのメッセージには気をつけてください。: 身に覚えのないメールは悪意を持って送信されたものかもしれません。場合によってはウイルスが含まれていることもあります。

メールに添付されたファイルは、開く前に必ずウイルスのチェックをしてください。: 多くの場合、ウイルスは添付ファイルの形で送信されます。たとえ知人からのメールであっても、その人がウイルスに感染してメールをばら撒いている可能性がありますので注意してください。なお、ECCS クラウドメールでは、Gmail のサーバー上で自動的に添付ファイルのウイルススキャンが行われます。なお、ウイルスについて詳しいことは 20.3.2. コンピュータウイルス を参照してください。

電子メールの送り主が本人かどうか確認しましょう。: 電子署名などの確認機構を使っていないメールは送り主本人が書いているという保証はありません。技術的には他人になりすますことは可能です。重要なメッセージを送るときは 14.7. 暗号化と電子署名 を参考に暗号化と電子署名を行うと良いでしょう。

エラーメッセージの読み方 #

メールアドレスを間違えてメールを送ってしまうと、エラーメッセージが返ってきます。これの読み方を説明します。

たとえば「通常の郵便が届かないのは、どのような場合か」を考えてみましょう。まず「実在しない郵便番号」を書いてしまったら、投函した郵便局から「郵便番号が間違っています」と言われ、手紙が返ってくるでしょう。一方、正しい郵便番号を記入した上で住所の末尾だけ(たとえば、マンションの部屋番号など)を間違えた場合はどうなるでしょうか?手紙は一度別の郵便局に送られて、その後「住所が間違えています」という通知と共に送り返されるはずです。

メールの場合も、これと状況が似ています。メールアドレスのうち @ より後ろが郵便番号、@ より前が細かい住所だと思ってください。ですから「メールアドレスの間違い」というトラブルは、@ より後と前のどちらかが間違っているかによって、2 通りの場合に分かれるのです。

メールアドレスの間違いでメールが届かなかった場合は、必ず「届けられなかった」という旨のエラーメッセージが届きます。このメッセージを頑張って読むと、状況に応じて「郵便番号の間違い」に対応する “Unknown host” や、「細かい住所の間違い」に対応する “Unknown user” などといったキーワードが見つけられるはずです。

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