何の工夫もされていない表をずっと眺めていると,途中から目がチカチカしてきます.編集作業の疲れを減らすため,表を見やすくするため,ほどほどに工夫をしましょう.
このページでは,23.2.4 コピー & ペーストと数式の入力 で作ったファイルを使います.もしファイルを作っていない人は,説明を読んでファイルを作るか,あるいはsample_meibo_for_23_2_8.xlsx をダウンロードして使ってください.
テーブルの書式設定機能
Excel にはテーブルの書式設定という機能があります.表の見出しを整えるには,これが一番お手軽です.
この機能を使うには,まず書式を設定したい領域を選択します.たとえばセル A1 を選択した状態で A を押すと,A1 を含む,空行 / 空列を含まないひとつながりの部分が選択されます.
その後,リボンの「ホーム」タブにある「条件付き書式」のボタンを押すと,テーブルに適用するスタイルを選択できます.
たとえば一番左上のスタイルを選ぶと「どの範囲に書式設定するか」を決めるダイアログが現れます.
ここには最初に選択した領域が書き込まれているので,そのまま OK ボタンを押しましょう.すると表に 1 行おきの網掛けが設定され,さらに各列にフィルタが自動で設定されます.
これだけでも,大分見やすくなりました.大した手間なくできるので,ぜひスタイル機能の使い方は覚えておいてください.
スタイルの作り方
既存のスタイルの中に好みのものがなければ,自分で新しくスタイルを作ることもできます.
「テーブルとして書式設定」のボタンをクリックすると,メニューの下の方に「新しい表スタイル」という項目があります.
これをクリックすると「新しいテーブル スタイル」というダイアログが登場します.
この画面では,表におけるセルの役割や位置が
- 見出し行
- 奇数行目 / 偶数行目
- 集計行
などの項目に分類されています.そして,これらの項目ごとに書式設定を行うことができます.
たとえば「見出し行」などの項目を選択して,ダイアログ中の「書式」ボタンを押すと「セルの書式設定」という画面が登場します.ここでは,文字に対する装飾をつけるかどうか選択できます.ただし「フォントの種類」「フォントサイズ」だけは,ここではなく別に設定をします.
「罫線」のタブでは,セルにどのような罫線を引くか選択できます.この画面で「線のスタイル」を選んで「輪郭」欄にある線をクリックすると,クリックした部分に対応するセル境界の線を指定できます.
そして「塗り潰し」のタブでは,セル全体を塗りつぶす色や模様を設定できます.
こうした設定を行うと,「新しいテーブル スタイル」のダイアログの中で「どのようなスタイル設定が行われたか」がプレビューされます.たとえば
- 見出し行を黒地に白抜き
- 見出し行を除いた偶数番目の行を,灰色で網掛け
という設定にすると,次のようなプレビュー画面になります.
これでスタイルを適用すると,次のようになります.
その他の設定
フォントと文字の表示位置
フォントとは,Excel のセルの値を表示するのに使われる書体のことです.
フォントを変えるときは,シート全体で変えるのがよいでしょう.まずはシートのどこかをクリックしてから, A を 2 回 押してください.そうするとシート全体が選択されます.
この状態で,リボンにある「フォント」メニューをクリックします.
そうすると,フォントが色々選択できるようになります.同様にして,フォントサイズも選択できます.
表示位置の調整も,リボンで行えます.フォントの設定セルの右側に,揃え位置を変えるボタンがあります.この使い方は Word と同じです.
セルの高さと幅
デフォルトでは,セルの上下の境界線は文字とほとんどくっついています.これでは見た目が若干窮屈なので,高さを広げましょう.
縦幅を広げるには,まず行の上でドラッグ & ドロップをし,広げたい行を選択します.その後行番号の上で右クリックをし,出てきたメニューの中にある「行の高さ」の項目をクリックしましょう.
すると行の高さを調整するメニューが出てきます.
ここに好みの数値を入力すると,行が高くなり,結果として行間が広がります.行間が広いとセルの区切りがはっきりして見やすくなる一方,縦に長い表で行間を広く取りすぎると,今度は表全体が縦長になりすぎてしまいます.時と場合に応じて,皆さんそれぞれで見やすいと思える高さに調整してください.
同じようにして列の幅も調整できます.今回の場合「組」などのセルが横長すぎるので,適宜調整しましょう.横幅を調整したい列の番号の右側にある境界にマウスカーソルを重ねると,カーソルの形が変化します.この状態でドラッグ & ドロップすると,列の幅を広げたり縮めたりできます.
また列の間をダブルクリックすると,ちょうど良い幅になります.列の間にマウスカーソルを持っていくと,カーソルの形が変わります.
ここでダブルクリックすると,「全てのセルが収まるギリギリの幅」に設定されます.
一時的な表示の変更
Excel には一時的に不要な情報を隠したり,特定の行や列を常に表示させたりする機能がついています.これらを組み合わせると,今考えたい情報に集中することができます.
要らない列 / 行の非表示
作業中に要らない行や列は,一旦隠しましょう.
たとえば今の場合,成績を見る分には「出席番号」「漢字で書かれた名前」以外不要でしょう.そこでたとえば,「性別」の列を右クリックし,出てくるメニューの中にある「表示しない」の項目をクリックしてみましょう.
すると性別の列が隠れます.隠れた列があるときは,その左右の列の境界が太い緑線で強調表示されます.
複数の列を選択してから今の操作を行うと,一斉にいらない行を隠せます.
また隠した行を元に戻すときは,両隣の列番号の間にマウスカーソルを持っていき,マウスカーソルを「縦棒を両側に開く形」に変化させます.
隠れた行の間でこの形のマウスカーソルが出た状態で,右クリックメニューの「再表示」の項目を選ぶと,隠れていた列が再表示されます.
ウィンドウ枠の固定
表データではふつう,左の方にある列や上の方にある行は「見出し」を表しています.表をスクロールした際に見出しが隠れると不便なので,見出しを常に表示させておきましょう.
これを実現するにはウィンドウ枠の固定という機能を使います.見出し領域を除いたデータ本体の一番左上のセルにカーソルを合わせた後,メニューバーを と辿ります.
そうするといくらスクロールをしても,見出しが残るはずです.
ウィンドウ枠固定中は,「ウィンドウ枠の固定」ボタンが「ウィンドウ枠固定の解除」ボタンになります.これを押すと,この固定が解除されます.
また,ウィンドウ枠固定ボタンの右には「先頭行の固定」「先頭列の固定」というボタンがあります.これらを押すと,セルの位置に関係なく先頭行 / 先頭列だけを固定できます.
セルの結合
ここまで紹介する場面がありませんでしたが,Excel ではセルの結合を行うことができます.複数のセルを選択すると,リボンの「ホーム」タブにある「セルを結合して中央揃え」というボタンが押せるようになります.
これを押すと,セルがくっつきます.見出しがいくつかに分類される場合など,この機能が役立つでしょう.