19.6.1 キーボードとポインティングデバイス

コンピュータの代表的な入力デバイスであるキーボードとポインティングデバイス (マウスやタッチパネル) について説明します.

キーボード

コンピュータに文字を入力するための最も基本的な装置です.キーがたくさんならんでいて,それぞれのキーを押すと対応した文字などがコンピュータに入力されます.
キーボードを特徴付ける最も重要なパラメータは「配列」です.英数字の部分はどのキーボードでも変わりませんが,それ以外のキーの有無や配置が日本語キーボードと英語キーボードでは大きく異なり,日本語キーボードに限っても JIS キーボードや親指シフトキーボードなど配列のバリエーションがいくつかあります.ECCS 端末で使われている Happy Hacking Keyboard はその最たる例で,キーの数を極限まで減らすように設計されています.
また,キーボードのキーの機構には主にメンブレン・メカニカル・静電容量無接点の 3 種類があります.どの機構を使ってもキーボードの動作が同じですが,キーの機構は押したときの感覚を左右するので,中にはたとえば「メカニカルキーボードがいい」とこだわる人もいます.

マウス

画面上のカーソルを動かすためのデバイスです.
昔のマウスは中にボールが入っており,机上でのボールの転がりをマウス内部のローラーで検知することでカーソルを動かしていました.しかしボール式だと使うにつれローラーに汚れが溜まり,操作感が悪くなるという問題がありました.今では,机などにレーザーを短い間隔で照射することで動きを検知するレーザー式のマウスが主流となっています.
また,昔のマウスにはボタンが 1 つまたは 2 つしかありませんでしたが,最近のマウスはほとんど全て左右ボタンとホイールを搭載しています.高性能なマウスではボタンを 5 つ以上積み,増えたボタンに様々な機能が割り当てられるようになっています.

タッチパネル

近年よく使われるようになった,画面を直接触って操作するためのデバイスです.もっとも簡単なものだとマウスカーソルの動作を指で直接行うことしかできませんが,新しいデバイスでは,複数本の指での操作で特別な機能を実現できたりします.タブレットデバイスが普及したことの理由の一つは,タッチパネルの性能が向上したおかげです.

その他

最近では上記のデバイス以外にも,Kinect や Wii リモコンのように,より人間が直感的に扱えるようなインターフェースが開発されています.こうした入力インターフェースは Natural User Interface と言われます.今後は Natural UI が重要になると言う人もいますが,本当に価値があるものなのかは,これから判断されることでしょう.