外部記憶装置として広く用いられているものに,フラッシュメモリと呼ばれる製品群があります.たとえば USB メモリやメモリーカードの類は全てフラッシュメモリです.この節では,フラッシュメモリを用いた外部記憶装置について説明します.
USB メモリ
USB メモリは USB ポートに直接挿して使う記憶装置です.よっぽど古いコンピュータで使わない限り,特別なソフトウェアをインストールする必要はなく,どんな OS でも USB ポートに挿すだけで使えます.USB メモリは非常に小型のため持ち運びがし易く,コンピュータに USB ポートが搭載されていないことはまずありませんから,コンピュータ間でデータをやりとりする際にとても重宝します.近年では容量が 100GB を超える製品も登場し,大容量のデータを保存するのにも使えるようになってきました.
USB は細かく分けると USB1.0/1.1, USB2.0, USB3.0 という 3 つの規格に分かれます.この記事を書いている 2012 年現在で最も普及しているのは USB2.0 ですが,徐々に USB3.0 が普及してきています.USB3.0 は USB2.0 の 10 倍程度の転送速度を持つので,これから新しいコンピュータや USB メモリを購入する人は USB3.0 対応製品を検討すると良いでしょう.なお,これらの規格は下位互換性を持ちます.たとえばコンピュータの USB2.0 ポートに USB3.0 に対応する USB メモリを挿すと USB2.0 機器として扱われます.ですので新しい規格の製品を買ったからといって,古いコンピュータで使えないということはありません.
メモリカード
メモリカードは薄いカード状の記憶装置です.薄くて小さいため,デジタルカメラや携帯電話などで幅広く用いられています.メモリーカードの規格は雨後の筍の如く乱立しており,たとえば以下のような規格があります.また,それぞれの規格にも細かい分類があります.
- コンパクトフラッシュ (CF)
- SD カード / miniSD カード / microSD カード
- スマートメディア
- xDピクチャーカード
- マルチメディアカード
- メモリースティック
- マイクロドライブ
メモリカードをコンピュータで読むにはカードリーダという装置を使います.コンピュータによっては最初からカードリーダを備えていることもあり,たとえば ECCS の iMac 端末にはディスプレイに向かって右側の側面に SD カードリーダがあります.また上記の通り規格が乱立してはいますが,ほとんど全ての規格のメモリカードを読めるカードリーダが市販されています.ECCS の端末についても,各部屋ごとに少なくとも 1 つはカードリーダを備えた端末が用意されています.