マザーボードはコンピュータの中心をなす一番大きい基盤で,CPU や メモリを始めとするほとんどのパーツはマザーボードに接続され,マザーボードを介して相互にデータのやりとりができるようになっています.
マザーボード上にあるもの
マザーボード上には主に次のような回路・インターフェースが乗っています.
- SATA コントローラ・ポート
- USB コントローラ ・ポート
- LAN コントローラ・ポート
- PCI-Express スロット
- チップセット
USB のことと LAN のことはそれぞれ 19.8.1 汎用インターフェース と 19.8.3 ネットワークインターフェース で詳しく扱います.この節では,残りのものについて説明します.
チップセット
チップセットは上で挙げたインターフェースと CPU の間に入ってデータのやりとりを行うための回路です.チップセットという名前が表すように,チップセットを構成するチップは必ずしも 1 枚ではありません.チップセットの役割を外部インターフェースと繋がる部分とそれ以外の部分に分けて 2 枚のチップで実現することも良くあります.チップセットが 2 枚のチップからなるときは,マザーボードの CPU のある側を北に見立てて,CPU に近い側をノースブリッジ,CPU に遠い側をサウスブリッジといいます.
また,時と場合によってチップセットは追加で色々な役割を担います.たとえばノースブリッジがグラフィックを表示する機能を持っていたり,サウスブリッジが USB コントローラの機能を兼ねていたりします.
PCI-Express スロット
PCI-Express スロットはコンピュータに様々な機能を付け足すためのインターフェースです.コンピュータを拡張するためのボードを PCI-Express スロットに接続することで色々な機能が実現できます.たとえばチップセットや CPU がグラフィックを表示する機能を持たない場合,PCI-Express スロットにグラフィックボードを挿すことで画面が表示できるようになります.また19.5 補助記憶装置で後述する SSD を PCI-Express スロットで接続したり,USB ポートを増やすためのボードを PCI-Express スロットで接続したりもします.
SATA
SATA は主にコンピュータ内部で長期記憶装置や光学ドライブを接続するのに用いられるインターフェースです.細かく見ると SATA1, SATA2, SATA3 という 3 世代に分かれていて,世代が進むほどデータの転送速度が上がります.これは長期記憶装置である SSD のデータ読み出し速度が上がり,旧世代の SATA では力不足になってしまったからです.