まず最初に,コンピュータに付けられた名前がホスト名とドメイン名で表されることについて学びます. ネットワーク関係のコマンドを使うときには, 他のコンピュータの名前を指定する必要があるからです.
コンピュータやプリンタなど,ネットワークに繋がれている全ての機器には名前がついています.今自分が使っているコンピュータの名前は,ターミナルから hostname コマンドを実行することで調べることができます:
hostname
ci000000m.ecc.u-tokyo.ac.jp出力結果(ここでは ci000000m.ecc.u-tokyo.ac.jp)が今使っているコンピュータの名前で,ホスト名やマシン名とよばれます.そしてこのように 「.」で区切られた,インターネット上でコンピュータを識別するための名称をドメイン名と言います.ホスト名だけでなく,メールアドレスや,URL の中にもドメイン名が用いられます.(下の太字の部分です): http://hwb.ecc.u-tokyo.ac.jp/current/, hoge@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
ホスト名・ドメイン名は「.」で区切られた階層構造になっています.
- ci000000m.ecc.u-tokyo.ac.jp というホスト名は,「ecc.u-tokyo.ac.jp」というドメインの中の,ci000000m という名前を持ったコンピュータを表しています.
- ecc.u-tokyo.ac.jp というドメインもまた,「u-tokyo.ac.jp」というドメインの下位にあります.ecc は教育用計算機システム,u-tokyo は東京大学,ac は教育・研究機関,jp は日本,をそれぞれ表しています.
- ドメイン名は世界中で重複しないようになっており,ci000000m.ecc.u-tokyo.ac.jp と言えば,それがそこのネットワークにあるものなのか一意に定まることになります.
しかしホスト名は長く,いちいち全部打つのは大変です.特に,同じ ecc.u-tokyo.ac.jp というドメインを持ったネットワークにあるコンピュータでは,一々 ecc.u-tokyo.ac.jp を後ろにつけなくても ci000000m だけでどのコンピュータを指すのか分かります.そこで ecc.u-tokyo.ac.jp のドメインを持つネットワーク内では,この ci000000m のような短いホスト名も許されることになっています. ちょうど電話をかける際に,自分と同じ市外局番の相手に対しては電話番号を押すときに市外局番をつける必要がないのと同じです.
まとめると,ci000000m という名前を持ったコンピュータを指し示すには,次の二つの方法があります.
- 同じドメイン(ecc.u-tokyo.ac.jp)上のコンピュータから指し示す際には,単に ci000000m と指定するだけで良い.
- 他のドメイン上のコンピュータから指し示す際には,ci000000m.ecc.u-tokyo.ac.jp と,上位の部分まで指定しなければならない.