17.2 ECCS でのウェブサイトの作り方

ECCS では情報発信用 WWW サーバが用意されており,これを使うとウェブサイトを公開することが出来ます.ECCS におけるウェブサイトの公開は

  1. 情報発信用 WWW サーバの利用登録
  2. アップロードするウェブサイトの用意
  3. ウェブサーバへのファイルのアップロード

という手順で行います.以下,各ステップについて順を追って説明します.
いきなり手の込んだウェブサイトを作ろうとしても混乱しますので,以下の説明ではサンプルの HTML ファイルを使い,ただ一つのページからなる簡単なウェブサイトを作ってみます.もっと複雑なウェブサイトを作れる自信のある人は,以降の節の説明も参考にしつつ色々とチャレンジしてみてください.

情報発信用サーバへの登録

まずは ECCS の情報発信用 WWW サーバを使うための手続きをします.ECCS の externalセキュア WWW サーバ のページを開き,WWW 情報発信実験参加申し込み (公開中断 / 公開再開) のリンクをクリックしてください.
開いたページの一番上に利用登録のためのフォームがあります.このフォームに ECCS のアカウント名とパスワードを入力し,「上記の注意を理解した上で,WWW 情報発信実験に参加申し込みをしますか?」という文のすぐ下にある「はい」のボタンを押せば登録が完了します.なお初期設定では,ウェブサイトの公開範囲は学内のみになっています.学外からもアクセスできるようにしたい場合,登録ページの一番下にある「公開範囲の変更」というフォームから設定を行ってください.

アップロードするウェブページの用意

次に,公開するウェブページを書いたファイルを用意しましょう.簡単のため,サンプルファイルを用意しておきました.次のリンクを右クリックして,ダウンロードしてください.ダウンロードしたファイルはどこに置いても構いませんが,ターミナルの操作に慣れない人はホームディレクトリにダウンロードすると良いでしょう.
index.html
ファイルをダウンロードしたら,テキストエディタで開いてみてください.普通の文書がちらほら見えるのに加え,< と > で囲まれた記号がたくさん見えると思います.この < と > で囲まれた記号をタグと言い,ブラウザがタグを読み取って綺麗な文書を表示してくれます.
タグでない部分は自由に書き換えて問題ないので,自由に書き換えてみてください.またタグの意味が分かった人は,タグも込めていじってみると良いでしょう.

サーバへのアップロード

ここまでの準備が出来たら,サーバへファイルをアップロードすることでウェブページを公開できます.ファイルのアップロードはターミナルと sftp コマンドで行います.まずはターミナルを起動してください (ターミナルの起動については hwb15.2 ターミナルの基本的な使い方 を参照してください) .
ターミナルを起動したら,次のように sftp コマンドを入力ます.0000000000 と書いた部分には,皆さんの ECCS のアカウント名 (10 桁の数字) を入力してください.

sftp 0000000000@user.ecc.u-tokyo.ac.jpreturn2

最初に接続を試みるときは “Are you sure you want to continue connencting (yes/no)?” と聞かれますので yes と入力して return を押してください.するとパスワード入力を求められます.
0000000000@user.ecc.u-tokyo.ac.jp's passowrd:

このメッセージが出たらパスワードを入力してください.セキュリティ保護のため,キーボードを押しても打った文字は画面に表示されないようになっています.パスワードを入力し終わったら return を押してください.パスワードが正しく入力されれば,次のように表示されます.
Connected to user.ecc.u-tokyo.ac.jp

パスワードが正しくないと “Permission denied, please try again.” と再入力を求められます.落ち着いて入力し直してください.
さて,無事に接続できたらまずは ls コマンドを打ってみましょう.すると user-00000 のような名前のディレクトリが 1 つだけ表示されるはずです.
lsreturn2
user-00000

このディレクトリの名前に入っている 5 桁の数字は皆さん一人一人に割り当てられた固有の番号です.ECCS のアカウント名である 10 桁の数字とは異なりますので,注意してください.番号を確認したら,cd コマンドでこのディレクトリに移動します.
cd user-00000return2

つぎにローカル側のカレントディレクトリを調べます.lpwd と入力してください.
lpwdreturn2
Local working directory: /home00/0000000000

このディレクトリが index.html を置いたディレクトリと同じであることを確認してください.もし違う場合は lcd コマンドを使い,移動してください.ここで put コマンドを使えば,ローカルにあるファイルをサーバ側へ転送できます.put index.html と入力してみてください.
put index.htmlreturn2
Uploading index.html to /home/0000000000/user-00000/index.html index.html 100% 0 0.0KB/s 00:00

ひとまずこれで index.html のアップロードができました.ちゃんとアップロードができたか確認するため ls コマンドを入力してください.次のように index.html が表示されれば OK です.
lsreturn2
index.html

サーバ側でディレクトリを作ったりすることもできますが,詳しいことは節を改めて述べます.

 パーミッションの設定

ファイルのアップロードが済んだらパーミッションの設定を行います.パーミッションを粗っぽく言うと「誰がファイルを見られるようにするか」という設定です.詳しいことは hwb14.4.5 パーミッションと実行ファイル を見てください.ウェブブラウザでアクセスする人が見られるように設定しておかないと,せっかくウェブページを作っても誰も見られなくなってしまいます.
アップロードしたファイルのパーミッションを確認するには ls コマンドに -l というオプションをつけます.すると次のように表示されます.

ls -lreturn2
-rw-r--r--   1  0000000000 student           Apr  5  2012 index.html

これの一番左に書かれている rw-r--r-- の部分がパーミッションです.このように右から 3 番目が r になっていればウェブブラウザでアクセスして読むことができます.もし右から 3 番目が – になっていたら,次のように入力してパーミッションを修正してください.644 の意味については hwb14.4.5 パーミッションと実行ファイル を参照してください.
chmod 644 index.htmlreturn2
Changing mode on /home/0000000000/user-00000/index.html

修正し直したら ls -l でパーミッションが書き換わっていることを確認してください.

自分のウェブサイトへのアクセス

ここまでの作業が完了したら,実際にウェブサイトにアクセスしてみましょう.user-00000 に index.html というファイルを置いた場合,アドレスは http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/users/user-00000/index.html となります.実際にブラウザのアドレスバーに入力して,アクセスできるか確かめてみてください.
このように,sftp コマンドでログインしたときの user-00000/ というディレクトリが user.ecc.u-tokyo.ac.jp/users/user-00000/ という URL に対応しています.user-00000/ の下に作ったディレクトリ構造は,URL にも全く同様に反映されます.